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事例5 吊り足場を移動中、墜落

 

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発生状況 職種 足場工 年齢(経験年数) 46才(11年)

本人は修繕船外舷に組立て中の吊り足場が外舷から離れているので、これを引き寄せようとしていたが、引き寄せることが出来ず、チェーンブロックを使用することにして、同僚と2人で外舷足場上を移動中、固定されていない吊り足場のため、2人の移動中揺れが生じバランスを崩した。後ろからきていた本人が約13m下の海中に墜落受傷した。

 

原因

1. 海上作業でありながら、救命胴衣を使用していなかった。

2. 固定していないと足場が揺れるおそれがあるにもかかわらず、移動中タンザク部間の手摺りに安全帯のフックをかけて移動しなかった。

 

対策

1. 吊り足場架設手順書を定め、どの時点で外舷に引き寄せ固定するか明確にすること。

2. 海上作業では救命胴衣の着用を徹底すること。

3. 移動中、安全帯のフックをかけて移動する。(海面は高さによっては、コンクリートと同じ強度であることを良く認識させ、海上で落ちても水の中という安易な気持ちを一掃する必要がある。)

(注)15m程度からうつぶせの状態で海中に落ちた時、腸はバラバラに切断されていた例がある。

 

中高齢者への留意すべき点

事故は決まって安全帯の未使用から起こっている。安全帯の使用ができない環境を改め、言葉による注意以外の教育・指導を充実したい。

 

 

 

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