参考資料A. FRP等の軽量新素材について 1. 概要 浮桟橋等の浮体構造物への適用を目的として、FRP等の新素材について、調査を行った結果を示す。 2. 調査結果 2.1 FRP FRP(繊維強化プラスチック)は工業分野で広く使用されているが、一般にFRPといえば、GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastic:ガラス繊維強化プラスチック)を指す。ガラス繊維を不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等で固化したものである。GFRPを浮体構造物へ適用することを前提に、長所、短所をまとめたものを表2.1に示す。
参考資料A. FRP等の軽量新素材について
1. 概要
浮桟橋等の浮体構造物への適用を目的として、FRP等の新素材について、調査を行った結果を示す。
2. 調査結果
2.1 FRP
FRP(繊維強化プラスチック)は工業分野で広く使用されているが、一般にFRPといえば、GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastic:ガラス繊維強化プラスチック)を指す。ガラス繊維を不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等で固化したものである。GFRPを浮体構造物へ適用することを前提に、長所、短所をまとめたものを表2.1に示す。
表2.1 GFRPの特長と欠点
GFRPは小型のフロート(浮桟橋)等に用いられているが、本研究で対象としているような大型の浮体構造物に適用する場合は、次のような点に注意する必要があると考えられる。なお、適用の方法としては、縦強度等は内部鉄骨に受け持たせ、厳しい腐食環境である側壁の版として使用することが考えられる。 1) 着船、流木等の衝撃に弱いため、フェンダー等の十分な保護構造が必要である。 2) 版と版をつなぎ合わせて全体構造を形成することが必要であり、接合部の水密性には十分な配慮が必要である。
GFRPは小型のフロート(浮桟橋)等に用いられているが、本研究で対象としているような大型の浮体構造物に適用する場合は、次のような点に注意する必要があると考えられる。なお、適用の方法としては、縦強度等は内部鉄骨に受け持たせ、厳しい腐食環境である側壁の版として使用することが考えられる。
1) 着船、流木等の衝撃に弱いため、フェンダー等の十分な保護構造が必要である。
2) 版と版をつなぎ合わせて全体構造を形成することが必要であり、接合部の水密性には十分な配慮が必要である。
図2.1 FRPを利用した浮体構造物の概念
2.2 クラッド鋼 クラッド鋼とは、耐食性の高いステンレス、チタン、ニオブ等を鋼板等の母材に貼り合わせた材料である。クラッド鋼そのものは新しくはないが、最近、メンテナンスフリーを目的として橋梁等への適用研究が行われている。 浮体構造物を鋼製とした場合、軽量な浮体構造物とすることができる反面、腐食するために重防食塗料が必要となるばかりでなく、定期的なメンテナンスが不可欠である。そこで、クラッド鋼板(鋼板の表面に上記の耐食性材料を貼り合わせたもの)を外表面に使用した浮体構造物が考えられる。構造的には、内部を鉄骨構造とし、外表面にクラッド鋼板を配置したものが考えられる。概念的には図2.1と同様である。
2.2 クラッド鋼
クラッド鋼とは、耐食性の高いステンレス、チタン、ニオブ等を鋼板等の母材に貼り合わせた材料である。クラッド鋼そのものは新しくはないが、最近、メンテナンスフリーを目的として橋梁等への適用研究が行われている。
浮体構造物を鋼製とした場合、軽量な浮体構造物とすることができる反面、腐食するために重防食塗料が必要となるばかりでなく、定期的なメンテナンスが不可欠である。そこで、クラッド鋼板(鋼板の表面に上記の耐食性材料を貼り合わせたもの)を外表面に使用した浮体構造物が考えられる。構造的には、内部を鉄骨構造とし、外表面にクラッド鋼板を配置したものが考えられる。概念的には図2.1と同様である。
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