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今日、研究発表をしていただいた先生方にも、そのことはほんとうによく出ていたと思いますけれども、まずはイントロダクションとして、討論会の前に、既にお話しいただいた3人の方から、短くてもいいのですが、まずは感想ないしは補足するべきことを5分から7分ぐらいの間で、ちょっとお話しいただければと思います。よろしくお願いいたします。

じゃ、清野さんから。

【清野】 私自身が小中学校のときに、どんなふうに感じていたかというのを改めて、この機会に考えてみたんです。アンケートの中にも、地域ということが入ってきました。非常に古くからの人が住んでいる地域と、私自身も転校生でしたけれども、地域の歴史を聞かれても困るなというような地域と、いろいろあると思うんですね。そうすると、やっぱり私自身が小学校3年生で転校して、ちょうど3年生から4年生の地域学習で、やれ、神奈川県だとか、逗子市だとか言われて、ほとんど土地勘がなくて、すごく、その時間が辛かったというのがあるんですよ。そういったときに、地域学習というのが始まったときに、どうしても転校生の人が辛いとか、あと、地域外から来た住み着いた人が、地域にずっと住んでいる人と何となくギャップを感じるというのがあると思うんですね。それを埋めていくときに、先生とともに地域の宇宙のおもしろさを発見していくというのを共有できるということが重要なんじゃないかなと思うんですね。

それで、私自身、総合文化研究科という名前のところにいて、総合というのはすごく難しいなと感じているんです。その一方で、総合って、自分なりに解釈すれば、あれとこれがつながっていたんだということを自分なりに発見して、糸をつないでいける驚きというのがあるんじゃないかなと思います。確かに私がご紹介したような非常にいい干潟や、珍しい生き物とかがあるんですけれども、自分たちの地域に、それがないから、つまらない地域かというと、全然そんなことはありませんよね。先生方の住んでいらっしゃる地域とか場所を見て、私だったら、こういうことができるかなと思うような、それぞれの地域におもしろいものがたくさんあります。それをつないでいくプロセスを一緒にやっていくことに、先生と子供たちがやっていく意味があるんじゃないかなと思います。

その中で特に、小中学生の空間スケールを大事にしてあげるというのがあって、あまり遠くのこととか、あまり知らない環境を言われても、ぴんと来ないというのがあるんですね。それで、私自身が地域学習とか、郷土史といったときに、なぜ当時、つまらなかったのかなと思うと、どうも自分が自転車でも行けないようなところの話だったりとか、知らない土地の名前だったりとかということがあるんです。授業で習ったら、次の土日には、ちょっと自転車で行ってみられるとか、そういう空間の中で総合的なものを発見していくということがあるのではないかと思いました。

 

 

 

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