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「海環境を守る私たちの体験」/風呂田利夫

風呂田利夫(東邦大学 理学部 生物学科 教授)

 

東邦大学理学部生物学科卒。米国商務省NOAA訪問研究員(S55-56)。東京湾を中心とする海の生物生態と環境問題を研究。著書に「明日の沿岸環境を築く―環境アセスメントへの新提言―」、「東京湾の生物誌」など。

 

東邦大学の風呂田です。

先ほどの濱田先生の放送大学のわりと近くに大学がありまして、私の大学は船橋市の、どちらかというと駅では津田沼駅に近いんですが、東京湾の一番奥にあります。今、濱田先生がいらっしゃる放送大学のところが、東京湾の干潟だったところです。そこに子供のころから、潮干狩りに行ったり、あるいは大学そのものも東邦大学に入学したものですから、大学の屋上から、その干潟を見て研究もしましたし、生活もしてきた人間です。

昨日も随分、話題になりりましたが、有明の問題で、水門をあける、あけないという議論になっているんですが、あれは単なる1つのプロセスでありまして、基本的には、諫早の干潟をどうするんだという背景があって、ああいう議論になっているんだろうと思います。それから、この間の日曜日には、千葉県の知事選挙があって、堂本さんが次期知事になられました。そこの争点の1つが、やはり干潟の問題で、三番瀬をどうするかと。堂本さんは白紙撤回をして考え直すということをおっしゃって当選なさいました。そういう時代のたまたまの背景かもしれませんけれども、今、自然環境と人間というところで、その1つのシンボリックなところが、干潟をどうするんだということになるだろうと思います。それは確かに、今まで非常に大きな開発の影響を受けてきて、日本各地から、そういう干潟がなくなってきて、先ほど砂浜の話もありましたけれども、干潟はもっとダイナミックに変化させられてきたところで、それをどうするかというのは、変化が大きければ大きいほど、その後の対策というのも大きな責任を伴ったという背景があるだろうと思います。

 

 

 

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