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ここで僕は大切だと思うのは、総合的な学習で、失われつつ日常の中の季節感の復権、これは物すごく大切なことで、教育の中で、季節感をわざわざ取り上げることはないでしょうけれども、実践として、こういうことがわかるということは大切だろうと。

それから、すべてのことをやる必要はありません。総合であると言いながら、部分システムで有意義だということです。

それから、早口になりますが、期待される学習効果としては、やっていますと、次の変化段階への期待感が生まれ、予想を越える事象間のつながりにびっくりして、こんなことがつながりがあるかと思い、確認できたときの感動、満足感というのは非常に大切です。昨日、厚生労働省と文部科学省との合同会議で、ものづくりの会議に出ていたんです。あのものづくり大学の話ではありません。ものづくり会議に出ておりましたけれども、そこで、働くというときに楽しさということを要素にしなければならないという一派と、楽しさなんてとんでもない、エンターテインメントだとか、レジャーだとかというのは学問・学習とは違うんだという二手に分かれました。びっくりすることです。なぜかというと、楽しさという中に与えられる楽しさだけをエンジョイする方法と、つくり出して苦労した後の楽しさとは違うということが両方にわかっていなかった。ということは、この総合的学習の時間でクリアできることです。

それから、知識の拡大、知恵の拡大は、自分で取り出すものと。情報は、非常に今、言葉としても困ったことに、与えられた情報、先生たちに失礼ですけれども、教えてしまう教育、これを打破すること。つまり情報というのは、自分で取り出して、生の情報が大切であって、情報化時代というのは、生の情報を取り出すということは今、ほとんどキャンペーンに入っていません。使うことだけ、処理することだけです。情報化時代のもう一つの、あまり言われないマイナス面は、操作されてしまうということ。妨害されてしまうという要素も含まれているんですね。だから、総合的に見ると、情報というのは怖いものだということ。ITは、あと20年しかもたないという未来予測が、文部科学省の調査で出ています。間もなく発表されます。だから、言葉だけに踊らされない、ほんとうの淡々とした研究あるいは認識というものが大切だということにつながります。

それから、これからも出てきます実体験型作業を進める絶好の機会ですし、博物館などの有効活用、これをぜひ組み込んでいただくことも大切でしょう。

 

 

 

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