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川の工事で出てきた残土を海の工事の保全工事の養浜材として使う。その結果もしかすると漁業に影響が出るかもしれない。ということは土木事務所、水産事務所など幾つもの機関が関係するので、役所の中の合意形成がなかなか大変なんです。

 

清野 今、役所の中の合意形成ができなくて大変だという話があったんですが、これは組織外からは普通なかなか見えない。アイデアはあるけれどもできない理由というのは、そういったところに調整者がいないということだと思います。

先ほど洪水の話がありましたが、こういう海辺に近い河口集落の洪水対策というのは、河川の管理者、農地の管理者、市街地の管理者、下水道、保安林、港湾関係とごちゃごちゃになっていて、一体誰が総合調整したらいいんだというくらい関係する機関がたくさんあります。しかし最近は徐々に、市民の方とか、あるいは地域の審議会などのような方が、自分たちの地域の政策や計画に対して、地域側のほうで官の縦割りを調整するというような状況も見られてきています。

 

宇多 これは一宮川でとった土砂です。だから、非常に粘性土を含んでいますよね。見た目でも、粘土みたいな泥、だから、これを直接海に投げ出したらば、ものすごい濁りが出るわけですね。それで、今、陸側に置いているんだけれども、その裏側も含めて陸側に置いているからまだいいんだけれども、そこのところをうまくしないと、トラブルの原因になります。

 

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土砂

 

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緩傾斜堤(2000年10月)

この緩傾斜堤は、前面に砂浜が無く直接海に突入している。このため波の作用によって緩傾斜堤の下にある砂が流失し、陥没しているのが見える。

 

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緩傾斜堤(2001年2月)

同じ場所だが前面で養浜が行なわれ、緩傾斜堤のもつべき本来の姿になっている。

 

緩傾斜堤

従来の護岸は地面から垂直に立ったコンクリートの壁のような形状で、人と海を隔絶するような形であったため、親水性の確保という観点から開発された緩やかな傾斜をもつ護岸の形態。

 

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