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はじめに

 

「総合的な学習の時間」のねらいは、子ども達が自分で課題を見つけて学び、考え、判断する力(生きる力)を育てるとともに、学び方やものの考え方を身につけ問題解決にあたる態度(方法知)を育成し、さらにこれらを通じて自分の得た知識や技術を総合的に働かせる力(知の総合力)を育てることにあるといえます。日本の公教育の歴史にかつてなかった「時間」が生まれたわけです。上からの教え込みではなく子ども達の内発的な学ぶ意欲を伸ばす創意工夫が学校・家庭・地域社会の人々に求められていると思います。

今回私達は、工夫の一つとして、主に小学生を対象とした誰にでも実施可能な自然体験プログラムを紹介したいと思います。私達は人間が成長し人格を形成していくときには、どのような時代になっても多様なあり方で、自然そのものにふれることが大事だと考えるからです。

その意味で現代っ子の「自然離れ」はゆゆしき問題であると思います。子ども達をなんとかして、生の自然の中に連れ出し、子ども達に自然って面白いな、不思議だな、きれいだな、こわいな、すごいな、というようなことを体験させてあげたいと考えています。この体験活動の中から、子ども達は様々な疑問や問題意識を持ってくれると思います。決して正解を求めようと焦ることはありません。子ども達と一緒に学ぶプロセスが大切だと思います。先生方の役目は、いわゆる「自然の教育力」なるものが、どのように子ども達を変容させていったか、そのことをしっかりと検証することだと思います。

動植物や自然への愛護心を育てれば、それが人間への愛護心に転化するであろうかという問題なども科学的・実証的な研究はまだまだ進展していないようです。

このプログラムが自然好きの子どもを育てると同時に、プロとしての先生方の研究意欲を高めることを願っています。

 

平成13年2月

創価大学教授・(社)日本環境教育フォーラム理事長

北野日出男

 

 

 

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