そのために、日本のNGOやNPOの人たちが育とうという土壌が国際的にも日本は非常に遅れていまして、その中については、民の意識も高くなっているけれども、国レベルの意識も高くなって情報は入ってくるけれども、間にいる地方自治体の人たちが非常に錯綜するいろんな法律や制度をどのように運用していくかが、まだそういったフォーミュラがないという問題があると思います。
それで、日本が緊急に必要としているのは、特に国際レベルでの環境保全の動きを、現場を担当する地方自治体の人たちとか、あるいはNGOなどの活動に興味のない一般の市民の人たちにどのように広めていくかというシステム、あるいはそういった行政内部のインタープリターがどのような機能をされているかということで、この辺についてはぜひ教えていただきたいと思います。
寺島:ありがとうございました。
きょうは国土庁から河野さんがお見えになる予定だったんですが、お忙しいようでお見えになっておりませんけれども、いま国土庁では国土のグランドデザインの中で沿岸域の問題を取り上げて、それをさらに48の流域圏に分けて実施しようというような方向で進んでいるというのは承知しているんですが、それ以上ちょっと詳しいことはわかりませんが、何かこれについてオブザーバーとしてご出席いただいておられるようですので、可能でしたらちょっとお話しいただければと思いますが、よろしいですか。
柴田:ただいまご紹介いただきましたが、国土庁の計画・調整局に海洋室という部屋がございまして、こちらで沿岸域総合管理の計画策定のための指針というものを今年の2月に策定しております。これは全国総合開発計画、通称「全総」と呼ばれる計画で、一番新しいものが第5次のものなんですけれども、これが平成10年3月に策定されまして、これを受けて今年の2月に、沿岸域総合管理計画策定のための指針というのを策定いたしております。これは特に法律などに基づくものではない任意の計画なんですけれども、関係省庁さんのご協力をいただきまして、全総推進の関係省庁連絡会議という場で決定しております。国のこの指針を踏まえて、現在、地方自治体ごとに計画を策定するという流れになっております。
そもそも国土計画というものの中で、特に陸だけでなくて国土計画というのは水域、海域、海なども対象としておりまして、土地ですとか空間にかかわる総合調整というのを国土庁が担っておりまして、このようなことを背景として、この全総の沿岸域の章では、国がその沿岸域の管理のための指針というのを策定して、自治体が中心となって沿岸域圏ごとの計画を策定すべきというふうに書いてあります。この辺まで指針策定しているんですけれども、内容の詳細につきましては省略いたします。
主な特徴といたしまして、1つは沿岸域圏という圏域を設定するということがございます。海岸線の方向と陸域、海域、垂直、水平方向と2つの方向があると思うんですけれども、海岸線の方向を国が設定しまして、これは沿岸というのを自然の系でとらえまして、日本列島の海岸線を48に区分しております。