例えばそれによって一貫したシステム、特に情報システム構築しようとしていまして、その地域の海域全体にわたるものを取りまとめようとしています。
しかし、こうした情報をすべて集めるのはかなり困難です。といいますのは、各地域の海域に関連する管理機構などがそれぞれデータの質の計測法が違うということで、データの収集の仕方も違うということであります。ですから、欧州全体の環境庁の役割というのはやはり標準化を図ることでありまして、全システムをうまく標準化しようとしています。
それから最後になりますが、国レベルではどうかといいますと、私が一番よく知っているフランスの事例をご紹介しましょう。フランスでは国のシステムがあって、沿岸の水域モニタリングが行われています。モニタリングにはいろいろな活動が含まれて、それぞれの活動がモニターされています。そうしたモニタリングから違った種類のレスポンスがこの自然環境から出てくるわけです。時間的なスケールも違うということで、本当に包括的な見方を得るのは非常に難しく、実際の水質がどうなっているかというのはなかなか把握しづらいわけです。これは他の国でも同様だと思います。まだやるべきことは随分残っておりまして、包括的、統合的な形でモニタリングネットワークづくりをするのは大変なことです。ですから欧州のレベルでは、今我々は一生懸命努力をして情報を集めようとしています。例えば指標、インジケーターなどを構築する、開発するということ。やはり指標が必要ですから。まだ話は始まったばかりと言えましょう。
寺島:どうもありがとうございました。
今お聞きしていると、建設省の岸田さんからもそれと関連したような質問が出ているように思いますが、岸田さんからのご質問は3点ございます。
先ず1点が、地中海沿岸モニタリングネットワークでは民間や地域住民を入れるシステムにする予定はありますか。
2点目は、水質の評価システムは非常に重要だと思いますが、それをどのように公表したり一般に伝えるようにする予定ですか。
3番目は、管理計画や行動計画は地域の参加が不可欠ですが、余り熱心ではないとのことですが、今後どのような参加を促していく予定ですか、という以上3点についてエノックさんへの質問です。
エノック:ありがとうございます。では、できるだけ明快に答えたいと思います。
さて、地中海モニタリングネットワークにつきまして、私が触れなかったことがあります。この地中海モニタリングネットワークでは、始まったばかりですけどもウェブサイトがあります。例えばIFREMERのウェブサイトでも、すべてのデータ、各国のモニターデータは全部公表されています。ここでは一連のデータが公表されており、アクセス可能な形になっています。マッピング、地図などもついているということです。