日本財団 図書館


3.今後のNPOの課題

 

今回の調査結果から明らかになったことのひとつは、NPO法人の発展のためには、行政、企業との棲み分けの必要性が高まっているということである。今後は、行政、企業、NPOがどう役割を分担し、そのなかで、NPOが如何に独自の存在意義を見いだしていくかが、日本におけるNPO発展の鍵となると思われる。

 

広い意味で、既存のNPOとも言える学校法人や社会福祉法人は、これまで行政と密接なつながりを持ってきたが、NPO法人のこれらとの違い、あるいは特徴は、「市民参加」であろう。

 

このことは、今回の調査の「問21」で、63.5%のNPO法人が「行政や企業に、市民のニーズを反映させていく市民参加型の事業を担っていくべきである」と答えていることから、多くのNPO法人も認識していることがわかる。「市民参加」を示す社員数(正会員数)は、そうしたNPO法人の社会におけるパワーの源泉とも言えよう。

 

しかし、現実には、今回の調査の「問3」の結果を見ても社員(正会員)が50人未満のNPO法人が57.9%と過半数であり、「市民参加」という理念と実体が乖離しているように見受けられる。

 

市民による財政支援についても、平成11年度経済企画庁委託調査「特定非営利活動法人の活動・運営の実態に関する調査」によれば、「特に寄附は募集していない」NPO法人が38.9%、口コミのみの寄附募集が33.0%であり、NPOが自ら市民に呼びかけて支援を得る努力をしているとは言い難い。

 

一方で、今回の調査の「問10」では「寄附金への税の優遇措置を講じる」ことを望む団体が87.5%という結果が出ている。NPO法人側も、税制優遇措置のみが寄附のインセンティブになる訳ではないということを理解する必要があるだろう。

 

 NPOの収入の内訳は、対価性のある事業、会費、寄附金、補助金、助成金などであるが、同じ経済企画庁の調査によると、将来的な収入構成の意向については「事業収入を中心としていきたい」というNPO法人が一番多く、35.1%となっている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION