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特にNGO、産業面からのイニシアティブを期待することができると考えています。進めるところは進めていくということですね。地域によって違うでしょう、国によっても違うでしょう。時間によっても違うと思います。でも、あらゆるチャンスをとらえて前進ということを私は申し上げたいのです。独立したシンクタンクをつくるということ、これはすべてのシステムに不可分の位置とするべきだと思います。政府の中にも独立したシンクタンクを持つということです。独立した機関で、科学者、社会科学者、自然科学者が協力をするようなシンクタンクが必要だと思います。そして独立したアセスメントを行い、また独立した諮問を行うことができるようなものが必要だと思います。でも、現状はそれほど悪くないんじゃないかと思うのです。例えば毎日毎日いろいろ問題がありますね。一歩前進二歩後退だというふうに思うことも多いんですけれども、これは短期で見るとそうです。でも、過去の十年、三十年を見てください。やっぱり物の考え方も変わってきた、相当な進歩をしたと思っています。だから、あとの十年、新しい2000年期におきます十年は、私たちが今つくっている方向性に向かって進めば、進歩するだろうと考えています。

 

 

まとめ

 

寺島:ありがとうございました。まだご発言があるようですが、時間も押してまいりましたので、恐れ入りますが、この辺でまとめに入らさせていただきたいと思います。本日は熱心な討論、いろいろありがとうございました。時間が十分とれなくて大変申しわけありません。私ども、海洋管理というのは非常に大きな問題だと思いまして、今回一回だけということでなくて、むしろこれがスタートだというふうに考えております。11月下旬にもう一回、今回は入口ということで、総論的な海洋管理から入っておりますが、次回はもう少し問題を掘り下げて、また、先程の宇多さんのレポートにもございましたが、沿岸域の問題というのは焦点の当たる部分だろうと思いますので、その辺にまで話を進めて、海洋管理の問題を考えていきたいと思っております。いずれにしましても、これをきっかけに、こういう形でいろんな議論が展開できるのは大変ありがたいと思っておりますので、ぜひこれを機会に議論をする場ということで、この研究セミナーをご活用いただきたいと思います。今回はそういうことでいろんな角度からいろんな議論が出たということでお許しをいただきたいわけですが、あえてまとめ的なことを若干申し上げさせていただきたいと思います。

海の問題を議論するときに、よく国際的な場で言われておりますのは、いわゆるグローバルなレベルで議論をし、リージョナル、これは国よりも大きいという概念ですが、リージョナルなレベルで考え、それからナショナルなレベルで考え、さらにローカルなレベルで取り組む、というようにいくつにも分けて海の問題というのは取り組んでいく必要があるということです。そういう面から我が国の海洋管理への取り組みを見たらどうだろうかということで、二、三感じたことを申し上げます。先ず、グローバルなレベルでの議論にどうも我が国は現在少し貢献度が薄いんではなかろうかと思います。

 

 

 

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