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我々はそれのお手伝いを各省庁と協力していくということと、もう一つは、海洋の場合ですと、水産庁、建設省、外務省、運輸省というところがかなり政策ボードを握っておられる官庁ですが、そういったところが今度省庁統合で一緒になるということもありますので、よく連携をしていただくということですね。やっぱり総合戦略やる際に審議会で議論するということではなくて、常時そういった政策調整を課単位でやっていくということが、重要じゃないかなと思うし、さらに政治との連携メカニズムをいかにつくっていくかというところが今度の焦点になってくると思います。以上でございます。

 

寺島:相当歯切れがいいお話ですが、確かに科学技術という意味ではある程度のまとまりがあって、今までやってきていると思うんですが、海洋開発審議会が今度の省庁再編で無くなってしまうということで私どもも心配しています。今田村さんのお話を伺っていて思ったんですけれども、かなり海洋開発というまとまりで、しかも総理大臣の諮問機関ということですから、本来以上のものがそこに集中されていたのかな、と思います。私はいまだに海洋開発審議会が総理の諮問機関ではなくなってしまうことについては、そういう意味でもちょっと残念に思っているんですけれども。非常に示唆に富むご発言で、ありがとうございました。

それでは、明石先生、お願いいたします。

 

明石:現状において国家レベルでの省庁間のさまざまな関係、対立とは申し上げませんが、複雑な関係というのが垣間見えて、非常に勉強になりました。ただ、気になりますのは、協力であるとか、あるいは省庁間の調整であるとかということをよくおっしゃられますが、それは一体何に向かっての調整なのか、協力なのかというのがよくわからないところが残念ではあります。そこで特にボルゲーゼ先生にお伺いしたいんですけれども、今日のご講演の中でも、これまで先生が書かれたものの中でも、しばしば今後の問題として、リージョナルな問題、あるいはコミュニティーの参加の問題ということをおっしゃっております。海洋管理ということを行うのに際して、中心的な役割を担うべきものはこれからも国家であると、先生はお考えなんでしょうか。それとも今後は国家を単位をするものではない、何か別の主体が海洋管理の主役になるべきだとお考えなんでしょうか。

 

ボルゲーゼ:私の今朝のスピーチはちょっと哲学的な話だったんですけれども、行動的な意味では私もとてもプラグマティックな人間です。すべての機会をあらゆるレベルでとらえて、でき得る限りの突破口を見つけていくべきだと考えています。UNICPO(海洋と海洋法に関する国連非公式協議プロセス)がつくられた海洋と(開放)に関する国連非公式協議がつくられたのはとてもよかったと思います。これはIOIがずうっと言っていたことなんです。本当にこうやって歴史がつくられたことは私はとてもすばらしいと思っております。時には政府であってもいいのですが、既に何度も何度も皆さんがおっしゃいましたように、非政府機関の役割は非常に大きいと思います。そしてこれは非常に大きくなってきています。これほど急速な成長を遂げたNGOでありますので、彼らに多くのイニシアティブを取ってもらうことができるのではないでしょうか。

 

 

 

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