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それが沿岸計画に整合していないときは、連邦政府に対して連邦政府が出した許可を取り消させることができます。そういう意味で州政府は非常に強い権限を持っていて、沿岸管理をするというインセンティブにもなっているわけあります。NOAAは間接的な形で州とかそのほかの連邦機関の意思決定に関しての関係を持っております。間接的ということです。

もう一つ、質問として、そのような調整を行う機関を政府の中でつくるとすれば、その関係はNOAAとどうなるかということですけれども、その答えは、やはりその機関はNOAAであるべきだと思います。ですから、新しいものをつくるという問題ではないと思います。NOAAがその任に当たるべきだというのが私の考えです。

 

寺島:ありがとうございました。続きまして次の質問に移りたいと思います。京都大学の白石先生のほうからの質問ですが、リージョナル・アプローチというような、リージョナルという言葉はイーラーさんのプレゼンテーションの中にもありましたし、またボルゲーゼさんもリージョナルについてもかなり言及されていたと思いますが、質問は直接はイーラーさんへの質問なのですが、白石先生から言っていただけますでしょうか。

 

白石:私の質問は非常に単純な質問でして、ミッションというものを定義するときに、リージョンというものをどう決めるかによってミッションというものは違ってきますね。例えば宇多さんのお話にあったように、リージョンというのは非常に細かく、小さく区切りますとミッションはないということと同然にもなります。ですから、その意味でリージョンというものをどのくらいのサイズで決めて、どういうメカニズムでミッションというものを決めるのか。それから、そのもとでガバニング・オーソリティーというのはどういう権限、パワーズを持てば、セクター・バイ・セクターではなくて、インテグレーションを達成できるようなメカニズムというのを保証できるとお考えですか、という質問です。

 

イーラー:今のお話なんですけれども、結局リージョンをどう定義するかというのは、全くおっしゃるとおり、いろいろ問題があると思います。リージョンといいましても、問題がどういったものかということにかかわってくると思います。リージョンというふうに言ったって、国際的なレベルで国と国を含めた、国をまたいだリージョンというふうに言ってもいいわけで、例えばバルト海とか北海のような場合には、いろんな国がそこを囲んでいるわけですから、そこの地域という意味でのリージョナル・アプローチが必要です。その水域に関連する地域というふうにとらえるわけです。国内のレベルでも、例えばアメリカだとメキシコ湾地域を考えてみましょう。あれだけの水域があって、いろんな州が、それからキューバとメキシコというほかの国も入っている。そうなると、やっぱりメキシコ湾という一つの地域、やはり地域的リージョナルなアプローチで管理するということが重要になると思います。そうすると、どういうリージョナルなる組織、制度にどういう権限を持たせるかというこにまたなってきまして、それは非常に複雑な問題であります。やはり長々と答えないと答えにならないと思うんです、時間はないと思うんです。でも、ちょっとアメリカの例を引いて考えてみたいと思うんですけれども、リージョナルな地域のアプローチというのをとりまして、川の流域管理に使っています。

 

 

 

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