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これは先に述べましたモントレーで開かれた会議のときに大統領が言ったのですが、このとき1週間かけました会議で大統領と副大統領などをはじめとして、重要な政治リーダー、海洋科学者も参画をしました。そしていろいろな沿岸管理当局者も参加いたしました。ここでは報告書の策定を1年後にすべきという呼びかけがされました。いろいろな管轄官庁、特にNOAA、それから海軍省が中心となるべきとされました。そしてこれは一種の勧告を盛り込むべきという内容なわけであります。これが「Turning to the Sea: America's Ocean Future」「海と向きあう:アメリカにおける海岸の未来」という報告書になったわけであります。いろいろな勧告がその中に入っています。まとめたのがこちらなのですけれども、NOAAでは一体何をしたかといいますと――日本の人には、日本語の内容を一方的に使わせていただきましたが、実は日本語にこの報告書を訳しました。手元には持ってきていないのですが、日本語に訳したものをWebサイトに載せております。ですからWebサイトで、ぜひご覧いただきたいと思います。(http://www.ejsp.com/monterey/report)

「Turning to the Sea」という報告書の中身なのですけれども、やがて重要性がさらに増していくと思うのですが、海洋・沿岸政策に関する勧告が入っております。特に関心が強い分野として、資源の利用、これを経済的にどのように活かすかという視点。それからさらに新たな奨励策や考え方で乱獲の問題に対応しようということも入っております。魚種の乱獲は大問題であります。それからまた国際安全保障というものも非常に大きなテーマの一つであります。まだ実現はされていないのですけれども、一つ勧告といたしましては、国連海洋法条約の批准ということも訴えられております。今でも早く批准したいと努力をしております。それから沿岸の汚染の問題、都市や農業からの汚水の流入の問題、いわゆるnon-point sourceの問題、そして漁場の管理・保護の問題も入っております。それからまたもう一つ、日本も非常に関心が強いところだと思いますし、日本のほうが進んでいるのじゃないかというところがあるのですが、海洋探査の技術開発の推進であります。新たな能力や技術を開発して、それによってさらに海洋への知見を高めようということも勧告として盛り込まれております。

このような年表の話はそろそろ終わりにしていきたいと思うのですが、国際サンゴ礁年というのがありました。アメリカでタスクフォースをつくりまして、一連の勧告を出しております。サンゴ礁をどのように守っていくかという内容であります。特に重要なのは数量的な目標を設定したということであります。連邦政府として2010年までに、アメリカのサンゴ礁域の20%を一切捕獲をできない完全保護区とすべきだとしています。これは非常に重要な内容だと思います。これは漁業とか他の海洋空間の利用に関わってくるからです。アメリカの政策として、これを実際に2010年までに実施していこうということになり、これは政権が変わっても続いていかなければならないことであります。

それから、最近、2〜3ヶ月前ですけれども、大統領令が出されました。法律ではないのですけれども、大統領令として出されたものがあります。これは海洋保護区の指定に関するものであります。これは海洋そして沿岸域に関して保護区を設けるというものでありまして、商務省と国立公園を管轄する内務省に対して以下のような命令を出したわけであります。海洋保護区の拡大・強化、そして法律制度の策定をすべきという内容であります。商務省というのはNOAAの管轄であります。

 

 

 

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