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私たちのケアも日々大変ですけれども、そういった改革のなかから日本の医療が変われば国が変わるんじゃないかなぐらいに大きなことを考えていますが、皆さん、いかがでしょうか。

南 ありがとうございました。じゃあ千原さん、お願いします。

千原 最後に謎をお話しします。皆さんお一人お一人にとって、人生のなかで今日はいちばん年を取った日なんです。しかし、明日よりは若いんです。そのことを覚えていただきたいと思います。

南 種村さん、ちょっと今日、授業のこと、残念ながらうかがえなかったんですが、それも含めて一言お願いします。

種村 授業については、たいへんおこがましいですけど、私の本『死を学ぶ子どもたち』をぜひご覧ください。どういう授業をやっているか、どんな本を使っているか、どんな話し方をしているか、きっと読み取っていただけるんじゃないかなと思います。

私が子どもたちに言っているのは、「運動会では選手になれなかった人も、命のリレーではみんなバトンをもらってこの世の中に選手として生まれてきたんだよ。リレーだって、かけっこだって、オリンピックのマラソンだって、どんな長い距離でも短い距離でも必ずゴールがあるから、その中途のところを必死になって駆け抜けることができるんだ。命だっていっしょだよ。バトンをもらって生まれてきたスタートからゴールが必ずやってくるけど、だからこそその間の命が尊いんだ」ていうふうに子どもたちに伝えることにしています。

南 ありがとうございました。それでは大下さん。

大下 患者さんの症例なんかも紹介したかったんですけど、時間がなかったので申し上げられませんでした。私は医療現場で説教をしているんじゃないかと思われた方があるかと思いますが、これは大きな誤解でございます。患者さんの話を聞かせていただく立場ですので、それだけをちょっと訂正しておきたいと思います。

それから、今日のこういう場を日本財団がもっていただいたということによって、いろんなことを知られた方が多かったと思います。情報というものを知らないがためにけっこう大変な思いをされている方が多いと思います。いろんな情報というのは市町村とかに「生と死を考える会」だとか、「ビハーラ」だとか、ホスピスだとか、研究会とかありますので、インターネットをもっている人はインターネットでアクセスしていただいて調べる情報もありますし、ない方は医療者の方に相談をかけながら、あるいは一般の方もそういう情報をいっぱいもっていますので、どうぞそういったところへつながっていただいて、まさに今日のなかでちょっとわからなかったことを、もっともっと勉強したいなと思うこと、そういったことをつなげていただきたいなというふうに思います。

今日はたいへんいい機会をいただきまして、ありがとうございました。

南 どうもありがとうございました。皆さん、今日の先生方の言葉のなかから、いろんなことを感じ取っていただきたいと思います。

 

 

 

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