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65]連続防撓パネルの圧壊強度の推定法(第2報)

藤久保昌彦、柳原大輔、矢尾哲也(広大)

前報で提案した、面内圧縮荷重を受ける連続防撓パネルの圧壊強度推定法に対して、溶接残留応力の影響を考慮できるように改良した。さらに、flat-bar防撓材が取り付けられている場合のパネル・防撓材間の相互影響をより正確に考慮するため、防撓材の有効板厚の評価式に改良を加えた。本推定法と、FEM解析結果、既存の崩壊試験の結果および他の推定法との比較を行い、本推定法の有効性を確認した。

 

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本推定法の圧壊強度とFEM解析結果の比較

 

66]曲がりブロック溶接変形の推定法

松岡一祥、吉井徳治、安藤隆弘(船研)、宇野清隆(NKK)

造船ブロックの溶接変形の簡略な推定法を提案し、曲がりブロックの一部を想定した模型試験の結果と比較してその有効性を確認した。

 

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図1 多点拘束(MPC)による溶接変形の表現

 

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図2 円筒形の外板の溶接変形(計算結果)

 

67]浮体式海洋構造物の防食設計に関する基礎的研究

吉川究(東光)、増田光一(日大)

海という厳しい環境に設置される海洋構造物において、防食設計は重要な問題である。そのため、電位分布解析に関する様々な研究が行われている。しかし、解析の際に重要となる分極特性は様々な因子が複雑に影響し合うため直接得ることは困難である。

そこで本論では、ニューラルネットワークを用いて海水因子を考慮した分極特性推定プログラムを構築し、そこで得られた分極特性を電位分布解析を行う際の入力値として用いることにより、電気防食状態の将来予測を行った。

その結果、海水因子の影響を考慮した防食設計の必要性が確認できた。

 

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海水因子の有無による分極特性の経年変化

 

68]気体CO2の海洋内の水平面溶解による海洋処理法の提案

古林義弘(熊本工大)

二酸化炭素の海洋内での処理形態としては、液化ガスの深海投入法が論じられているが、本研究では気体の状態で直接に海水と接触させ海洋中に溶解させることによって深海へと導く新しい方法を提案し、想定される(1)海水への気体溶解(2)溶液の海洋中の密度流とそれに伴い誘起される海洋流動(3)二酸化炭素分子の乱流拡散と流動の連成現象および(4)海洋流動に伴って生じる乱流場について溶解実験と理論解析を行った。

 

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溶解30日後の海洋内のCO2濃度の分布

 

 

 

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