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37]船体監視システムの役割とその適用について

湯浅通史(海事協会)

オペレーションに関係する損傷事例ならびに運航及び操船に関係する損傷事例の調査結果から、船体監視の必要性について検討した。さらに、大型ばら積貨物船を対象に運航マニュアルの荒天避航の判断指標である甲板の海水打込み及びプロペラの見掛けスリップ比と船体の応力及び加速度の関係等について実測データにもとづく検討を行い、この判断指標がほぼ妥当なものであることを示した。

 

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38]コンテナ船の構造最適設計に関する研究

北村充(広大)、信川寿(広大)、カハルディン ジェノド(広大大学院)

有限要素法による船体強度解析は計算時間が長いため、初期計画段階における使用には不適切である。本研究では、コンテナ船の構造最適設計において、船体を立体骨組構造とする簡易強度計算法を用いて解析を行う。さらに、船体の部材寸法のような離散的数値の探索に適すると考えられる遺伝的アルゴリズムを利用して、合理的な最適設計法を研究する。23個の設計変数を用いて、建造コストを最小にする初期設計案が示されている。

 

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Design variables and optimal design

 

39]Fuzzy Optimum Design of Engine Room of Ship with Dynamic Response Using Genetic Algorithms

北村充(広大)、信川寿(広大)、Fengxiang Yang(広大大学院)

遺伝的アルゴリズムにファジーの概念を導入した最適化手法を用いて、船舶機関室の構造設計を検討する。この構造設計においては、静的強度のみならず、動的応答も制約条件として考慮している。許容応力などの制約条件に許容される幅を与えることにより、曖昧さを考慮した設計案(Fuzzy Solution)が得られることが示されている。また、本来は目的関数である建造費を制約条件に変換することにより、複数のFuzzy Solutionから、一つの最適設計案(Crisp Solution)を求める方法について述べている。

 

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History of GA to Crisp Solution

 

40]動荷重を受ける大型浮体の時刻歴応答

遠藤久芳、矢後清和(船研)

浮体上における、航空機離発着時の水平移動荷重、および落下物による衝撃荷重、に対する浮体の過渡的応答を調べる目的で、300m長メガフロート実証試験モデルの縮尺相似模型を用いて模型実験を実施した。さらに、この実験の解析のために、VLFSのような超多自由度系の流力弾性問題に適用できる時間領域計算法を開発した。解析結果は実験結果と良好な一致を示した。衝撃荷重などのインパルス的な応答においては、流力弾性問題が一層重要になることが確認された。

 

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衝撃荷重に対する浮体上下変位の時刻歴応答

 

 

 

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