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33]海水リチウム採取用バージの波浪中動揺によるタンク内流体運動の数値計算(英文)

斎藤公男(広大)、朱仁傳(広大大学院)、信川寿(広大)

本論文は、二重構造タンクに粒状吸着剤を積層した海水中溶存リチウム採取用バージの波浪中動揺によるタンク内流体運動を検討したものである。まず、流体領域を2つの海水層と1つの吸着剤層に分け、相隣る層での連続性を考慮して定式化を行った。次に吸着剤層における速度ポテンシャルと流速の関係式に抵抗率を導入し、境界要素法を用いて全領域の流体運動を一括して求める計算法を導いた。続いて、排水ポンプのみを作動させた場合と、バージの動揺をも考慮した場合について、タンク内の流速分布及びタンク壁面に作用する圧力分布を計算し、動揺による影響を検討した。

 

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34]座礁・衝突の確率安全評価における管理要件の最適化問題

的場正明(海事協会)

規則制定に活用するために、IMOでは確率評価を主体としたFSAを検討している。FSAでは危険因子の解析後に、事故の確率を効果的に減少させるような管理要件を定めることになっている。本論文は、この管理要件を最適に定めるため、図に示す動プログラミング法と遺伝アルゴリズムを主体にした手法を提案した。実際の単衝突による火災事故例に本手法を適用し、その妥当性を検証した。

 

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動プログラミング法の基本構成

 

35]船舶の衝突における吸収エネルギーの評価法の研究

鈴木克幸、大坪英臣(東大)、Compara Sajit(ABS)

現行の耐衝突構造要件に用いられているMinorskyの式の妥当性を検討するため、試解析船に対して簡易式により解析を行った。Minorskyの式は、耐衝突構造を持つような船の設計においては、安全側ではあるが精度の面で改善の余地があることが判った。また、動的有限要素解析シミュレーションとの比較の結果、簡易解析手法はよい一致を見せ、設計において有効なツールであることが判った。

 

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船首、船側の双方の強度を考慮した圧壊解析

 

36]波浪荷重の長期分布と遭遇海象との関係(第1報 波浪荷重の最大値と想定海象)

河辺寛(船研)、日比茂幸(防大)、田中洋志(海上自衛隊)、柴崎公太(NKK)、笹島洋(IHI)

波浪荷重の長期分布の分布型および荷重の大なる領域の特性と長期の波浪発現頻度表の統計的性質との関係を解析的に検討することを目的に、想定海象の有義波高、平均波周期および波との相対角のどの要因が、荷重レベルによってどの程度影響を与えているかを調べる。長期分布を有義波高、平均波周期および波との相対角ごとに分解したものとそれらの要素の寄与率から検討し、超過確率が10-8付近の最大値と海象を特定する方法を示した。

 

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長期分布の荷重レベルに対する有義波高の寄与率

 

 

 

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