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25]超大型浮体式海洋構造物の海震に伴う応答解析手法に関する基礎的研究

別所正利(防大名誉教授)、前田久明(東大)、増田光一(日大)、高村浩彰(西松建設)

本報告では、浮体に作用する海震に伴う流体力と運動方程式を連立させて解析する直接解析法並びにモード解析法の双方によって、海震に伴う弾性浮体の応答解析を実施し、両手法の算定結果の特性について検討した。これにより、モード解析法と直接解析法におけるラディエーション流体力の算定方法の違いが応答計算の結果に大きく影響していることがわかった。

 

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弾性浮体中央部での海震に伴う応答特性

(浮体幅1,000m、吃水2m、水深50m、剛性0.5×1010Kgm2)

 

26]長大浮体の不規則波中弾性応答およびその制御について

馬寧、平山次清、阿部寛之(横浜国大)

長大浮体の波浪中弾性応答も含めて姿勢制御を行うために、既開発の空気圧式制御装置の改良を行い水槽実験によりその基本特性を検証した。また不規則波など、任意外力を取り入れられる応答のシミュレーション計算法を開発し、過渡水波、長波頂不規則波中の実験による検証を行った。装置改良によりL/λ=1.8付近の波長まで制御の効果が認められ、不規則波中でも即応性のある制御が行えた。時系列シミュレーション計算の結果、過渡水波及び長波頂不規則波中の制御なしと制御時のいずれも実験と定性的な一致が得られた。

 

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不規則波中制御を行う長大浮体の上下動(計算と実験の比較)

 

27]浮体式海洋構造物に働く変動漂流力の推定法―その1:長波頂波中模型実験―

難波康広(科技団)、加藤俊司(船研)、斎藤昌勝(船研)

本研究は多方向不規則波中の超大型浮体式海洋構造物に働く変動漂流力の推定法の開発をその最終的な目的としている。超大型浮体の特徴である流力弾性挙動のために、従来の方法を多方向不規則波中で適用することは困難と思われるので、本論文では相対水位から長周期変動漂流力を求める簡易推定法を提示し、長波頂波中の模型実験によってその検証を行った。

 

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長周期変動漂流力(x方向成分)の計算値と測定値の比較(入射角30[deg]、有義波高3.40[cm]、ピーク周波数1[Hz])

 

28]沿岸域に設置された大型浮体式海洋構造物に作用するRadiation流体力に関する研究

今井康貴(広大)

多数の円柱浮体要素から構成される海洋構造物が海底傾斜のある領域に設置された場合に、構造物に作用するRadiation流体力を求める方法を開発した。

その結果、付加質量とダンピングは海底傾斜影響や浮体要素間干渉により、一定水深の場合と大きく異なっていることを示した。また流体力が極値をもつ周波数と浮体周囲における波の共振との関係を調べた。海岸での砕波によるエネルギ吸収を2種類のモデルを用いて検討した。

 

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