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21]解強制置換法を用いた船体周りの流場計算法

川北千春(三菱重工)、石川暁(三菱重工)、佐々木壮一(長崎大)、林秀千人(長崎大)

複雑形状に対する格子生成の自由度の高い重合格子により格子生成を行い、格子間の情報交換に解強制置換法を用いた船体周りの流場計算法について述べる。特に解の精度にとって重要である領域間の補間方法には微小体積要素を用いた方法を用いている。舵角を取った場合の船体・プロペラ・舵に作用する流体力を実験結果と比較し、精度良い解が得られることが分かった。本計算法は格子生成の労力を軽減し、複雑な形状に対応することが可能な有効なCFDツールである。

 

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船体・プロペラ・舵に作用する前後力の比較

 

22]防波堤が存在する場合のポンツーン型超大型浮体の波浪中弾性応答計算法 ―その2. 厳密計算法―

大松重雄(船研)

防波堤が存在する場合の超大型浮体の波浪中弾性応答について、防波堤と浮体間の相互干渉を考慮した効率の良い厳密計算法を示した。また、その際、防波堤の反射率が任意の場合でも扱えるようにした。

その計算法を用いて、防波堤に囲まれた5,000m浮体、メガフロートフェーズII浮体の弾性応答計算例を示すとともに、防波堤と浮体の相互干渉効果について、さまざまなパラメータでシリーズ計算を行い、その特性の一端を明らかにした。

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メガフロートフェーズII浮体周りの波浪振幅分布

 

23]ポンツーン型超大型浮体の不規則波中弾性挙動及び長周期動揺推定に関する研究

居駒知樹(東大生研)、前田久明(東大)、増田光一(日大)、浅沼貴之(エヌケーケー総合設計)、安宅浩一(東京電力)、林昌奎(東大生研)

超大型浮体を計画、設計するためには弾性挙動特性を把握するだけでなく係留システムについても検討を加える必要がある。係留システムの設計には非線形波力である変動波漂流力が考慮されなければならない。本研究では変動波漂流力を高精度で予測するために、1次弾性応答がどれだけ正確に推定できているかを確認し、さらに水平変位の予測結果当性から、変動波漂流力推定法の妥当性を確認した。理論推定法の検証には一方向及び二方向不規則波中応答実験から得られた時系列と直接比較する方法を用いた。

 

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2方向不規則波中弾性応答時の鉛直変位の実験値と計算値の比較(破線が計算値)

 

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2方向不規則波中の水平変位(y方向)の時系列

 

24]超大型浮体の2方向不規則波中弾性応答実験について

前田久明(東大)、居駒知樹(東大生研)、増田光一(日大)、鈴木文博(東大生研)、藤田尚殻(東大)、緒方重人(日大)

超大型浮体の波浪中応答は最終的に多方向不規則波中で議論される必要がある。さらに、理論計算手法の妥当性をより正確に検証するためにも多方向不規則波中応答実験の結果が必要である。多方向波中応答を時系列で理論計算値と比較することは非常に困難であるが、時刻暦応答特性をどこまで理論計算で推定可能か否かを確認しておくことも重要である。本研究では、後に理論計算結果と時系列で比較可能なデータを取得することを目的に、より高精度な2方向不規則波中弾性応答実験を行った。また、不規則波中応答特性についても実験値を基に若干考察した。

 

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不規則波中弾性応答時の鉛直変位の実験値と計算値の比較(絶対値、凡例mは有義波高)

 

 

 

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