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9]Frictional Drag Reduction with Air Lubricantover Super-Water-Repellent Surface

―(2nd Report) Resistance Tests of Tanker and High Length-to-beam-ratio Models―

福田和廣、徳永純一郎、延永尚志、中谷龍男、岩崎徹、國武吉邦(三井造船)

前報においては、超撥水表面に空気を供給する方法により、矩形管と平板の摩擦抵抗を大幅に低減できることを示した。本報においては、この手法をタンカー模型船と細長い模型船に適用し、前報と同じく大幅に船体の摩擦抵抗が低減できることを示した。

 

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12m細長模型船の抵抗係数の比較

 

10]重力流の進行による溶存物質の粒子化

阪口泰規(大阪府大大学院)、馬場信弘(大阪府大)、谷泰寛(大阪府大)

炭酸アンモニウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合すると、化学反応により炭酸カルシウムの白色沈殿が生じることを利用して、重力流の進行に伴い、溶存物質が粒子化する物理的、化学的な過程を実験で再現した。混合によって発生した粒子は重力流の先端部後部に最も多く存在し、しばらく界面に停滞した後、小さな塊となって沈降していく。流体間の密度差が小さくなると生成される粒子の量は増え、逆に大きくなるとほとんど生成されなくなることが明らかになった。

 

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生成された粒子を含んだ重力流と輝度の等値線図

 

11]漕艇のローイングシミュレーション法の開発とオール形状と漕法の評価

土井康明(広大)、上田隆浩(本田技研)、茂里一絃(広大)、二宮伸治(広島国際大)

ローイングシミュレーションは、新しい用具あるいは漕法をいろいろな状態で評価できるため、その意義は大きい。本研究では、実測した艇の運動や流体力をもとに、その運動方程式から漕手の運動をモデル化して、ローイングシミュレーション法を開発した。実艇試験により、シミュレーション法の検証を行い、さらに、オールや漕法の性能評価を行った。ブレード面積、アウトボード長さについては、それらを増加することで平均艇速に向上が見られる。ただし、漕力は一定であるので、レートを落とすことが条件となることがわかった。

 

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アウトボード長さの影響

 

12]下向き揚力を発生する没水矩形翼の造波特性について

長屋茂樹(船研)、茂里一紘、土井康明(広大)

自由表面近くにある没水体の造波抵抗が下向き揚力によって軽減される可能性があることが判っている。本研究では下向き揚力を発生する没水矩形翼の模型実験および境界要素法による数値計算を行い、下向き揚力によって造波抵抗は軽減されることを示した。また造波抵抗が極小となるときの下向き揚力の大きさは没水深度、速度や翼形状によらず、浮力との関係が重要であることがわかった。

 

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揚力の有無による造波抵抗の違い

 

 

 

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