IV 平成11年度「盲導犬に関する調査」委員会“報告”実現に向けて
【1】「盲導犬総合センター(仮称)」構想の提案
[1]基本的な考え方
「課題1 盲導犬訓練施設の供給体制の改善」と「課題2 盲導犬に関する視覚障害者及び一般社会の意識の向上」に対し、第一及び第二部会において、“共同繁殖センター”“訓練士・歩行指導員養成センター”“盲導犬情報センター”の必要性を検討、その具体化策として“盲導犬総合センター(仮称)”構想を提案する。
“盲導犬総合センター”は、共同繁殖、訓練士・歩行指導員の養成、盲導犬情報提供の3機能を保有する今までにない新しい盲導犬に関しての総合的機関である。
そのためには、これから予想される盲導犬事業の変化に対応して、既成の考え方にとらわれることなく、実現に向けて、盲導犬訓練施設及び関係団体が一致協力することが重要である。
[2]盲導犬総合センター(仮称)の概要
・盲導犬総合センターは、「共同繁殖センター部門」「盲導犬訓練士・歩行指導員養成センター部門」「盲導犬情報センター部門」の3部門を主要組織とする盲導犬に関する総合組織である。
・以下に各部門それぞれについて“目的”と“内容”を整理する。
[共同繁殖部門]
目的:
1]2010年年間盲導犬供給量300頭を目指す。
2]質の良い訓練候補犬の安定的な供給を目指し、そのための優れた繁殖犬の改良と血統の継続のための専門部門とする。
※共同繁殖センターがスタートした場合の2010年までの盲導犬実働数の時系列推移を試算。(前述)
この試算によると、2010年において繁殖にかかる負担は約17%軽減される。そして、その波及効果は、パピーウォーキングや訓練士・歩行指導員の養成面まで及ぶと思われる。さらには、盲導犬に関する研究、改良の進展によって盲導犬の質の向上と安定供給が図られれば、21世紀の盲導犬事業の根幹事業となることも予想できる。
機能内容:
・組織としては、管理部門と繁殖部門に分かれ、繁殖部門が主要機能を持つ。