日本財団 図書館


生活を共にする盲導犬の世話の問題については、盲導犬ユーザー自身も様々な努力をしている。例えば「ワンツー袋」等を使うなどして糞尿などの問題で周囲に迷惑をかけないような配慮もしている。生き物と生活していく限り糞尿のような問題はある程度仕方がないことだが、犬を飼ったことのない盲導犬利用希望者は犬を飼う生活に関して具体的なイメージを持ちにくく、不安感も強い。従って、盲導犬に関する情報が事前に提供されれば、盲導犬の利用に対して、ある程度不安感も払拭され、積極的に考えるようになると思われる。

医療費の問題もまた、盲導犬ユーザーの問題として大きい。医療費には予防医療費と治療医療費の2種類がある。通常の予防医療費で年間平均4万5千円〜6万円。大きな病気をしたりすると治療費は10万円を超える。医療費の補助については地域格差が大きいが、地元獣医師会等に働きかけ、協力を得て、医療費の増加を押さえる事は、盲導犬の利用環境を改善する大きな要素である。

この他には、盲導犬の検疫も地域差が大きい問題である。また、盲導犬との離別・死別が悲しい、いわゆる「ペットロス問題」もある。こうした盲導犬ユーザーの心の問題をケアしていくことも盲導犬の利用環境の改善ととらえ、その対策を検討していきたい。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION