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視覚障害者施設に入所している場合は、その施設の職員における盲導犬に対する意識によって盲導犬に関しての理解の程度や情報提供量に差がみられる。とりわけ歩行訓練のなかで、視覚障害者に選択肢として盲導犬の利用もあることを指導者が説明することが必要であり、それによって盲導犬に関する情報を客観的かつ効率よく伝えることができる。

 

[2]盲導犬利用希望者が自分の希望に合った盲導犬訓練施設を全国から選ぶことができる情報提供

盲導犬を利用したいと思っている視覚障害者が自分の希望に合った盲導犬訓練施設を選ぶ際に検討する要因を7つの項目に分けて以下に整理した。現時点では、既に盲導犬ユーザーとなっている視覚障害者の視点で必要であろうと思われる情報である。

このような視覚障害者の視点から必要な情報内容を検討し、その情報の内容レベルを合わせ、情報リストを作る。そして、そのリストに合わせて、盲導犬訓練施設8法人から、サービス内容、盲導犬の訓練方法などの情報を提供してもらい、盲導犬利用希望者が訓練施設を選ぶ際に比較検討ができるように整理し、提供することが必要である。

その結果、盲導犬を利用する視覚障害者も自分の希望に合った盲導犬と関連するサービスを受けることができるようになる。また、盲導犬訓練施設側も利用希望者の希望に合ったサービスの展開と質の向上を図ることができるようになる。

 

[視覚障害者が盲導犬訓練施設を選択する要因]

 

1]相談(カウンセリングを含む)

ア)視覚障害者やその家族などがいつでも気軽に相談することができるか。

イ)視覚障害者団体などに対して出張して相談会などを実施することができるか。

 

2]体験歩行について

ア)個人的な体験歩行の希望にいつでも応じることができるか。

イ)定期的な体験歩行の機会があるか。

ウ)自宅周辺での体験歩行は可能か。

エ)視覚障害者団体等に対し出張して体験歩行の会などを実施することができるか。

オ)体験歩行の結果、自分から「この犬が気に入りました」と希望が出せるか。

 

3]面接試験(適性検査)について

ア)自宅やその周辺で面接試験を受けられるか。

イ)面接試験の結果、適性と判断された場合、おおよそどの程度待てば良いか目安を教えてくれるか。

ウ)面接試験の結果、不適と判断された場合、その理由や何をどのように改善すれば良いかなどについて教えてくれるか。

エ)盲導犬歩行に必要な事前の訓練についても相談・指導してくれるか。

 

 

 

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