【4】盲導犬訓練士と歩行指導員養成について
[1]目標達成に必要な盲導犬訓練士・歩行指導員の数
10年後に盲導犬供給数を倍増するという目標値から、盲導犬訓練士・歩行指導員もまた、現在のほぼ倍にあたる50〜60人が必要な人数として導かれる。この必要人数を確保するためには、今までの経験から判断すると、毎年業界全体で10人前後の研修生を新規採用する必要があると考えられる。と同時に、採用された研修生に対して質の高い研修、教育を行う必要があろうし、就業を継続できるような労働環境の整備がのぞまれる。
[2]今後の盲導犬訓練士・歩行指導員の養成課程について
盲導犬訓練士や歩行指導員は、高い専門知識や経験が求められる。また、本調査結果では、盲導犬訓練士および歩行指導員の養成には全国の盲導犬訓練施設が統一したシステムと養成・研修を受けられる環境に改善されることが必要であるというデータが示されている。また、盲導犬訓練士・歩行指導員の養成については、その内容の統一化が望まれ、盲導犬訓練施設間の情報交換の活発化や他の盲導犬訓練施設での相互研修等の実施が求められている。
現状の盲導犬訓練士・歩行指導員の養成の問題として、労働と研修の分離や指導方法の統一化、研修内容の専門化、資格制度の一本化等を図る必要がある。
研修内容の統一の参考事例として、盲導犬の訓練基準に準じてその内容を一覧する。
1]研修プログラムの内容
専門技術の習得と知識の習得
犬の訓練技術及び犬に関する知識
・実技的なもの(現場)
ア)適性犬の基準と選別(犬の感覚・動物心理学)
健康状態や身体的な欠陥、盲導犬に適する犬の性質など適性犬の評価についての研修
イ)適性犬の供給と確保(繁殖遺伝学)
適性犬の供給と確保は訓練計画のなかで重要な問題であるため、犬の血統と繁殖など、関連する項目についての研修
ウ)仔犬の飼育管理とパピーウォーカーに対する訪問指導と躾についての研修
エ)犬舎管理を含む飼育技術
オ)盲導犬訓練の研修(訓練方法論)
盲導犬訓練基準の内容の研修