日本財団 図書館


また、整えて欲しい研修内容としては、比率の高い順から、情報交換の活発化、パピーウォーカー育成等の知識習得、他の盲導犬訓練施設での研修の実施、労働と研修の分離、各指導員の指導法の統一などとなっている。

また、養成・研修に対する満足度をみると、約4分の1が満足していないとしており、その理由として「システム化されていない」、「養成・研修の内容がわかりにくい」「養成・研修を受けられる環境にない」、「目指す盲導犬の具体像の提示がない」などが挙げられ、他にも「養成・研修によって内容が違う」、「養成・研修に一貫性がない」など、現在の養成・研修における問題点が指摘されている。

今日まで、多くの盲導犬訓練施設では、少数の指導員が多くの役割を果たしてきた。彼らは歩行指導員であり、盲導犬訓練士であり、時に犬舎管理要員でもあった。さらに啓発担当者であり、研修生に対しては教官でもあり、繁殖マネージャーでもあった。一人が何役もの業務をこなしてきたのである。また、歩行指導員などの養成においても、盲導犬事業の歴史的な経緯もあって、訓練施設内養成が原則であり、師匠たる指導員と弟子たる研修生の、ある意味で濃密な人間関係に依存した中で行なわれてきた。

しかし、本調査の結果から、現状システムはかなりの問題点を含んでいる事が明確になった。これらの問題点の解決を核に養成・研修システムについての検討が必要であると思われる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION