本調査では、研修生、盲導犬訓練士、歩行指導員の待遇や勤続年数についても調査したが、上の表は、各職種の年度末在籍人数である。
この結果から第一に歩行指導員の絶対数の少なさ、第二に最近5年間は横這い状態である事、第三に研修生から訓練士になる確率は概ね3分の1である事、盲導犬訓練士になったあと歩行指導員になる確率はさらに低いことを読みとることができるが、この数字は盲導犬事業において、いかに人材養成が困難であるかということを明確に示している。
本調査報告書の中で、給与水準や休日、時間外労働、宿日直体系、退職金水準などの改善すべき点があげられている。
一方、研修生や盲導犬訓練士など働く側から見れば、働き続けることを困難にしている状況があるということであろう。本調査から盲導犬訓練施設で整えて欲しい労働条件や研修内容を見てみると、彼らがどのような希望を持っているか、裏を返せば、現状をどのようにとらえているかがわかる。彼らが指摘する改善内容は、比率の高い順から、勤務時間・残業時間の短縮、職員の増員、給与のアップ、休日の確保、業務内容の専門化・特化等となっている。