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6.2 来賓挨拶(その1)

 

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海上技術安全局首席船舶検査官

徳留健二

 

ご紹介いただきました、運輸省海上技術安全局首席船舶検査官の徳留でございます。本日は基準研究成果報告会にお招きいただき、誠に有り難うございます。

日本造船研究協会は、船舶の安全基準に関する調査研究で立派な成果を上げられ、船舶の安全性の向上に大変貢献されてこられました。まず、この点につきまして感謝と敬意を表したいと思います。

皆様方ご承知のとおり、四面環海かつ貿易立国である我が国は、国際及び国内とも海上輸送に多くを依存しております。従いまして、このような海上輸送が、海洋環境を保全しつつ安全に行われることは、誠に重要でございます。

このため、海上輸送全般を所掌しております運輸省としましては、船舶の安全及び海洋汚染の防止に関して、船舶安全法、海洋汚染防止法等に基づき、各種基準の整備を行うとともに国際海事機関(IMO)で行われる国際基準の策定に積極的に対応しているところでございます。

さて、最近の動向でございますが、我が国におきましては規制緩和が急速に進められております。この中で安全・環境に関する社会的規制につきましても、必要最小限とするとともに、透明性を確保し、規制を行う必要性やその理由及び効果について、国民に「説明責任」を果たすことが求められております。

また、IMOにおきましてもFSA(Formal Safety Assessment)というリスク評価や対費用効果の評価を踏まえたより合理的な基準策定の手法が導入されつつあります。

造船研究協会の基準研究は、我が国の産・学・官が協力して客観的かつ合理的基準策定を目指して実施されており、冒頭申し上げましたとおり、その立派な成果は、我が国の国内基準の策定及びIMOにおける国際基準の策定に極めて重要な役割を果してきました。とりわけ、この基準研究の成果を踏まえたIMOへの我が国提案は、各国から高く評価されており、条約改正において、我が国提案の多くが実現する形で結実してきております。

 

 

 

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