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(5) その他

以上の方法のほかに、これまでに試されたり提案されたりした方法がいくつかあります。

個々のヒトデを対象としたもの:

●圧縮空気を注入し、オニヒトデを浮上させてボートで回収する。オーストラリアで試されましたが、結果は非効率であったようです。

●浚渫などに使う汲み上げポンプでオニヒトデを吸い上げる方法も提案されたことがありますが実際に試されたことはありません。

●取り上げたオニヒトデを船上で淡水に浸したり、飼料用のミンチ製造機のようなもので殺したり、あるいは格子のうえに並べて日干しにするなどして殺し、海洋投棄する方法がかつて採られたことがあります。しかし、一旦船上や陸上に取り上げたオニヒトデを海上投棄することは、第11管区海上保安本部によると「海洋汚染および海上災害の防止に関する法律第10条」に抵触します。

 

オニヒトデ集団を対象:

●ホラガイやフリソデエビなどの天敵の放流が考慮されたが、捕食効率がよくないことと天敵の増殖が困難なため実用化されていない。

●生石灰をサンゴ礁に散布。オニヒトデよりもサンゴを殺すので効果なし。

●オニヒトデに特異的な病原体を使う案も提唱されたが実用化されていない。

●オニヒトデを誘引する「オニヒトデ・ホイホイ」が考慮されていますが、まだ実用化されていないようです。

 

4. オニヒトデの発生状況を調べるには

 

貴重なサンゴ礁をオニヒトデによる被害から守るためには、大量発生を早期に発見する必要があります。また、駆除の範囲や投入する適正な努力量をあらかじめ見積もる必要があります。さらに、駆除の効果を調査することは今後の駆除方法の向上のためにも不可欠です。これまでに使われてきたいくつかの方法を次に紹介します。

 

(1) 一定時間の潜水による探索

この方法は、沖縄では1960年代から使われてきた方法です。複数の観測者はスキューバあるいはスノーケルで約10分間遊泳し、その間に観察されたオニヒトデの数を記録します。また、オニヒトデの密度が低いときはオニヒトデが岩陰に隠れていて見つけにくい場合が多いため、オニヒトデによって食べられたばかりで白く見えるサンゴ骨格の数を記録し、その程度によってオニヒトデの密度を推定することもあります。

 

 

 

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