3-2. 駆除の具体的な方法−それぞれのメリット・デメリット
これまでに、さまざまな方法でオニヒトデが駆除されてきました。これらのうち、どれが最も優れた方法かは、岸からの距離や水深などの条件によって決まります。.
(1) 薬品の注射
薬品をオニヒトデに注射する方法は、もっとも効率的な方法のひとつとみなされています。これは、連続注射器を用いてダィバーが水中でオニヒトデに一匹ずつ薬品を注射するというものです。ひとりのダイバーが一時間に120匹のオニヒトデを駆除したという記録もあります。注射したオニヒトデはそのまま放置しておきます。注射後ヒトデは1−2日で死に組織が崩れていきます。
注射液についてもいろいろな薬品が試されました。最近までは硫酸銅が有効で安価で入手しやすく、使用法を間違わなければ安全であると見なされてきました。しかし、硫酸銅の最大の問題は駆除域における重金属汚染の可能性です。重金属は低濃度でもサンゴ礁に生息する他の動植物に対しても毒性をもつであろうことから硫酸銅の注射は沖縄では普及しませんでした。
そのほかアンモニアや塩酸なども試されましたが、硫酸銅と比べても特に効果的でもなく注射器を腐食しやすいという欠点があり、あまり推奨はされませんでした。八重山では50%ホルマリンをヒトデ1匹あたり5ml注射し、その効果が示されました。