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このような提案を具体化するための計面の立案には、環境管理に関する世界各地の先進地におけるサンゴ礁管理体制が参者になる(GBRMPA 1994, 1999)。例えば、下図のような体制が、各関連者の参加により、政策科学的な研究を経て、できるだけ近い将来に構築されることが望まれる。ここでは、サンゴ礁の総合的な管理を担当する組織が存在し、住民や産業界からの意向や研究機関からの科学的情報に基づいて管理計画を立案し、その計画が施行されることになる。モニタリングや駆除を含めたオニヒトデの問題も、このような枠組みの中で取り扱われることになる。管理は主に実施機関がサンゴ礁の利用者の利用を管理することによってなされることになろう。これには、保護区の設定や利用の形態を制限するゾーニングなどの手法が有効であることが世界各地で示されている(Gomes 1977, Russ & Alcala 1998a, b, 土屋 1999など)。

 

サンゴ礁の資源・環境管理の体制の案

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オニヒトデの大量発生は自然現象として過去にも起こっていたであろう。しかし、人為的な要因が複合されてその程度と頻度が増したと一般に考えられている。オニヒトデが高頻度に大量発生するようになるとサンゴ礁群集を非可逆的に変化させる可能性がある。さらに、観光業や水産業をはじめ人々の生活に影響をおよぼす。

 

 

 

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