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事例発表

グリーンコンシューマーを拡めるために

大西優子(環境パートナーシップちば)

 

「地球温暖化対策もう手遅れ」で「きわめて悲観的」と、国連環境計画が報告書を出しました。

気象庁は「100年で2.9度都心の気温が上昇」したと発表しました。

高度経済成長の中で、消費は美徳と大量生産・大量消費・大量廃棄をしてきたツケをこうした形で、私たちは突き付けられ、未来の世代に対して、大きな責任を背負っています。

日本リサーチセンターが環境問題で世論調査をしていますが、地球温暖化について非常に高い関心があるとの結果が出ています。

けれども、具体的に自分が何をすればよいか戸惑っている方が多いと思います。きっかけさえあれば、環境を考慮した消費・地球環境を大切にする生活をするグリーンコンシューマーになることは、誰にでもできることです。

「環境パートナーシップちば」では、そのきっかけづくりとしてアンケート活動をしています。具体的な行動の提起のような内容の10項目を、読み上げながらの実施ですので、質問や意見を聞くことが出来ます。そして「あなたの出来ることをもう一つ増やしてください」と、声をかけています。

 

・環境にやさしい商品を買いたくても、どこへ行けば買えるのかわからない。

・家族の協力がなかなか得られない。

等の、意見もありました。

 

グリーンコンシューマーになるための〈買物ガイド〉刊行のためのお店の調査に参加しましたが、「営業ですから環境より売れることですよ」と、おっしゃったスーパーもありました。

買う人と売る側のパートナーシップを、原料・製造・流通・使用・廃棄の製品の一生が環境にやさしいかどうかという、ライフサイクルアセスメントに求めることが、21世紀を前にして、持続可能な地球のための消費行動ではないでしようか。

「エコライフはシンプルライフ」です。高齢化社会を迎えるこれからは、シンプルライフは大きなテーマになってくるでしよう。地道に根気よくグリーンコンシューマーの仲間を増やしていきましょう。

 

分科会に参加して

南川忠男(ちば情報センター)

 

環境にやさしい買い物を目指したこの分科会で、積極的に発言をされた睦沢町からいらした男性が特に印象に残りました。この方はシンポジウムの案内ではじめてこの言葉を知り、全国ネットの矢野さんのお話でグリーンコンシューマーがどういうものか認識できたそうです。

3つのグループに分かれて活発で実質的な討議ができたと思います。

発表の後に質疑応答の時間があり、スーパーなどの食品トレーについて大型小売り店の方に質問が寄せられました。若者を中心とした消費者の多くはカラフルなトレーに盛られた刺身をそのまま食卓に並べるので無地に比べ3倍のコストがかかるが店頭にお出ししているとのこと。一方で主婦は皿に盛りつけ直す方もいるということで、「賢い消費者になろうとしても小売り店が変わらないといい商品が選べないね」ということでしょうか。

このような活動が定着するかしないかは市民としての意識をどれだけ成熟させるかにかかっていると考えました。

ひとりひとりの活動は小さくても仲間が集まれば大きな力となりグリーンコンシューマーがお店を変え、更にメーカーも変えていくでしょう。

当日、販売させてもらった書籍「グリーンコンシューマーになるための買い物ガイド」は34冊も買い求められ、周りに広がっていく事を期待しております。

 

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