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エンジンの燃焼方式による改善には次の2方式があり各社しのぎを削っているところである。

1]リーンバーン方式:従来ガソリン1に対し約15倍量の空気と混合して燃焼させていたものを空気を20〜25倍と多くし混合割合を薄めて燃焼させる方式

2]直噴方式:気化器を使用せず高圧力の燃料を直接シリンダーに噴射する方式

 

さらにエンジンの改良だけでは対応が難しいため低速走行時に優る電気自動車と高速走行性のよい内燃機関の組合せによるハイブリットカーなども開発(シリーズ方式、パラレル方式、スプリット方式=トヨタプリウス)される一方で100km走るのにガソリンをいくら消費するかを競うところでは本田インサイトが3リッターカーとして認知を受けるなど低公害車の開発競争には拍車がかかり熾烈をきわめている。

最後に21世紀の車社会を展望すると石油生産のピークが2010〜2020年頃と考えられておリハイブリットカーの次は水素を使用した燃料電池車が有力ではないか、宇宙船ジェミニでの高分子膜での実用化後デュポン社の改良等により1リットルのセルで1kWの出力が出せ、すでに16車種も開発されシカゴやトロントで走っている。

 

14:10 講師発表その3(ちばコープの使用車両の低公害化への取り組み:要約箇条書き)

千葉県下に33万世帯の組合員を抱えるちばコープの古瀬さんの発表要約

1]商品の8割が共同購入のため住宅街奥深くに進入配送する必要があり車の低公害化が必須、以前は2トン積ディーゼル車であったが現在530台の中107台がLPG車に切り替えられ、NOx・黒煙・騒音・振動等少なく好評(勿論CO2も少ない)。

2]低公害化を図るため、最初電気自動車の導入を検討したが車両価格が約10倍で断念。

3]1993年11月LPGの試作車がモニター提供され、燃費もまずまずだったが講師夫人が花粉症に悩まされていて黒煙の排出がないことが決定的要因で切替を推進。

4]車両価格はディーゼル車と同等、燃費は約2割増だが日々の走行距離が30kmでそれほどの経済的負担増がなく排出ガス中にがんや白血病の要因となるといわれているベンゼンがないこと、ドライバーには振動が低く疲労が少ないなどの評価もあった。

5]課題として充填所が限られるので自前で設置したい、強風時エンストの傾向等。

キーチェーンによるアイドリング・ストップの励行と併せ、一人の百歩より百人の十歩が10倍効果的なこと、低公害化推進に夫人の持病がバックアップ要因となったことなどが印象的であった。

 

14:40 講師発表その4(エコドライブのノウハウ:要約箇条書き)

1]エンジンオイル交換は市内走行が主体の車は3千kmか6ヶ月ごとに取替えたい。

2]車には余分なものを積まないこと。10kg積んだまま月1千km走るとCO2を200g余分に排出即ちガソリンも余分に消費し乗り心地、高速安定性も損う。

3]タイヤの空気圧を適正にし、タイヤのローテーションも1万km走行ごとに行う。

4]夏期、エアコンを入れる前に車内を十分換気する。サンシェード等も有効である。

5]変速のタイミングをエンジンの回転数で確認するほか急発進、空吹かしをしない。

6]カーナビなど高価だが遠回りしても時間のかからない経路を選択する方が得策。

簡単だが一寸した気くばりで車の寿命が伸び維持費も減少すると実践の重要さを強調された。

 

 

 

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