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千葉会議の実行委員会は、実行委員が対等な立場で合意形成をしながら運営をしていくものです。行政の実行委員の多くの方は、このような市民・企業の方と対等に話し合う経験がこれまでにあまりなく、この体験がよかったとのことで、もどったらこの経験をぜひ行政に活かしたいという感想をお持ちです。このことからもっと多くの市町村の方に参加してもらいたいと思っています。

 

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図2 実行委員の男女比(1995年〜1999年単純合計)

 

図2は、5年間の実行委員を男性と女性に分けて、単純に合計したときの男女比ですが、どうでしょう。男女のバランスは取れているでしょうか?スタートの時から、私は実行委員の男女のバランスを取りたいという気持ちがありました。男女のバランスがとれていないのは、企業と行政の実行委員の中に女性が少ないからです。今後の課題の一つだと思います。

 

(6) 千葉会議の成果

多くの参加者とともに作り上げてきた千葉会議ですが、その成果はこれまでに発行された4冊の報告書に凝縮されています。

 

この千葉会議の成果ですが、パートナーシップの概念を具体化してきたことにあると私は評価しています。

 

環境シンポジウム千葉会議の成果

パートナーシップの概念を具体化

●市民・企業・行政の異なる主体間の合意形成の場

出会い

コミュニケーションの始まり

●それぞれの役割・得意分野に応じた貢献気づきから行動へ

単なるイベントではない・元気をもらう行動へつながっている

 

実行委員会の中だけではなく、様々な立場の人が参加する分科会において、市民・企業・行政の出会いと対話が育まれてきました。コミュニケーションや合意形成の体験をとおして、異なる主体間の理解が進んできたと思います。

また、5年間の千葉会議の内容をみてみますと、初めは企業の実行委員の方がなにか遠慮なさっていたように見うけられますが、最近はそれぞれの役割、得意分野に応じた貢献をなさっています。もちろん、市民は最初からそのネットワークを活用して、千葉会議をひっぱってくれています。

報告書には、「この千葉会議は単に話しあうイベントにすぎないから、もっと環境問題解決のための具体的な行動を取った方がいいのでは」という意見がありました。勿論具体的な活動は必要でしょうが、私はこの千葉会議は単なるイベントではないと考えています。ここに参加した人が、元気になって、地域にもどって環境保全に取り組む活力を得たとか、行動につながる気づきをたくさん得たということを、参加者のアンケート結果から読み取ることができます。

環境財団の役割についても、すこし述べたいと思います。千葉会議を費用の点からも、事務局という役割でも支えています。どちらかというと行政に近い立場かもしれませんが、市民・企業・行政といった異なる部門の間にたって、それらを接着剤のようにくっつけるコーディネーターの役割を果たしてきたわけです。それは、県の財団法人としての信用があるということと、エコマインド養成講座等の事業を通して、市民との太いパイプがあったからこそ、千葉会議が開催できたのだと思います。

NPO関係でよくいわれていることですが、それぞれのNPOは個別の目的があって市民が集まります。ですから、NPOはそれぞれの立場で独立して活動しています。そのようなNPOをつなぐためには、環境財団のような立場はとても便利なものといえましょう。

 

 

 

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