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企業におきましても、同じようなことがいえると思います。異なる主体だけでなく、同じ主体の中の多様な団体をつなぐということに、環境財団という組織の大きな役割があったと思います。

しかし、NPO法が動き出した今、このようなコーディネーターの役割を担おうというNPOがでてきています。千葉でも「環境パートナーシップちば」という、千葉県の環境保全活動団体のネットワークを促進し、市民・企業・行政のパートナーシップを推進することを目的として活動している団体があります。

5年継続してきましたこの千葉会議ですが、継続は力なり、継続することの大切さもありますが、社会が変化してきている、持続可能な社会に変革しなければならない今、この千葉会議も次のステップに乗り出す時期になっているのではないでしょうか。

次のステップを考える時に、今日の千葉会議のテーマにもなっています持続可能な社会について少し考えてみたいと思います。

 

3. 持続可能な社会は市民社会か?

 

(1) 環境問題の3つの視点

図3は、1990年版環境白書にある地球環境問題の因果関係の図を、まんが環境白書ちばに引用したものです。先進国の高度な経済活動が、地球の温暖化・オゾン層の破壊・酸性雨・海洋汚染・有害廃棄物の越境移動を引き起こし、また開発途上国の生活のために、熱帯林の減少・砂漠化・開発途上国の公害問題・野生生物種の減少がひきおこされていますが、この複雑なやじるしのとおり、これらの問題は互いに関連していることがわかります。

 

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図3 地球環境問題の関係

(まんが環境白書ちば 千葉県環境基本計画地球環境編 1997)

 

環境問題の3つの視点をまとめてみますと、まずはかけがえのないこの地球環境が危機であるということです。地球自体はあと太陽がそのエネルギーを放出し終わるまでの50億年はもつでしょうが、長い時間をかけて生物が進化し、多様な生物がつながりあって生きている地球の生態系が、ただ1種類の生物であるヒトの活動によって、そのヒトも含めた生物の生存が危ぶまれているのです。

そして、その環境問題は、平和(戦争)・人権・貧困・南北問題・開発・人口・資源エネルギーといった地球的課題と複雑に関連しあっています。

これらの地球的な問題は、私達一人ひとりの生活、つまり現代の社会システムに原因があるわけです。

 

環境問題の3つの視点

★ かけがえのない地球環境の危機

★ 複雑にからまる地球的課題

環境・平和(戦争)・人権・貧困・

南北問題

開発・人口・資源エネルギー

★ 環境問題は、われわれ市民一人ひとりの生活(すなわち社会のあり方)に原因がある

 

 

 

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