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エコマインド養成講座は、千葉県環境部が1993年に始めた環境学習指導者養成講座で、マインドという言葉からもおわかりになるように、「こころの教育」を全面にだしたものです。環境科学に関する知識の一方的な伝授といった講義形式ではなく、小人数のグループの話し合いや参加体験型の環境教育プログラムを実施してきました。

 

下記は中国の古いことわざですが、これはアメリカのボストン子どもミュージアムの標語にもなっているそうです。エコマインド養成講座でもつかっています。環境学習の目的は行動できる人間の育成です。そのためには、自ら体験して、その体験の中から自分自身で発見することが必要なわけです。ですから、エコマインド養成講座では参加体験型のプログラムを実践しているわけです。

今お話している私の話は、きっとすぐに忘れさられるのだろうなと思いながら、お話をしています。

 

聞いたことは、忘れる。

見たことは、覚える。

体験したことは、わかる。

自ら発見したことは、できる。

 

2. 環境シンポジウム千葉会議

(1) 特徴

皆様が今ここにお集まりいただいて、つくりあげている環境シンポジウム千葉会議の特徴は、大きく3つあります。

一つは、市民・企業・行政といった社会を構成する主要な部門に所属する方々が、対等な立場で実行委員会を構成して、千葉会議の開催にかかわることをボランティア、手弁当で行なっていただいているということです。

二つめは、本当の実行委員会であるということです。多くのイベント等が実行委員会形式で行なわれていますが、たいていは事務局が主導権をもって運営している場合が多いように思われます。ところがこの千葉会議は、企画・広報・運営といった会議の開催に必要な意思決定権が本当に実行委員会にあって、しかも口だけではない、手も足も出しているということです。

三つめは、講演もありますが、基本的に千葉会議の重要な部分は分科会であると私は考えていますが、その分科会では、ワークショップといいましょうか、参加者全員が協力しあって、会議をつくりあげる構成になっています。ただ、一方的に話を聞いて帰るという会ではないのです。

 

(2) テーマの変遷

ここにご紹介するのは、これまでの千葉会議のテーマとサブテーマです。持続可能・パートナーシップ・行動、そして仲間・出会い・対話・続けていこうといったすばらしい言葉がならんでいます。これらのテーマを掲げて、話し合ってきたことの重要性を認識したいと考えます。

 

1995 持続可能な社会構築のためのパートナーシップを求めて

あつまろう千葉の仲間 つくろう元気な環境

1996 持続可能な社会づくりのためのパートナーシップを求めて

今、あなたにできること

1997 広げよう さまざまな人とのパートナーシップ

続けていこう、出会いと対話

1998 行動しよう!未来のために

1999 持続可能な社会のために

 

(3) 千葉会議のできるまで

千葉会議の発端はといいますと、実は残念なことに私達のボトムアップの発想ではなくて、環境庁企画調整局環境保全活動推進室からの開催の呼びかけが千葉県にあり、そして千葉県の方から、県の外郭団体である千葉県環境財団に突然舞い降りてきたというわけです。ただ、この環境庁の呼びかけは、前年の1994年に市民フォーラム2001という市民団体と環境庁が共催して開催した「環境教育シンポジウム1994」の流れを受けているもので、その主旨は本当にすばらしいものでした。

 

 

 

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