これほどまでに素晴らしい経験をさせていただいたことの幸せをうまく紙面で伝えられないことのもどかしさは、幾千話を費やしても消えることはないのかもしれませんが、私達全てはこれを糧として、ご献体頂きました皆様の御遺志に必ずや報いますよう、良医となるべく決意新たに日々精進することを誓い、もってこの拙稿を終えることをお許しいただきたいと思います。
最後になりましたが御献体下さいました皆様のご冥福とご遺族、白菊会会員の皆様のご多幸をお祈りいたしますと共に、親身な指導を頂いた諸先生方、ならびにこの実習のために尽力下さった関係者の皆様にも感謝したいと思います。どうもありがとうございました。
解剖学実習を終えて
井上正義
桜の花も満開のこの四月、私も晴れて三回生に進級し、解剖実習に参加できることになりました。二回生の途中から解剖の勉強を始め、骨や組織などいろいろと学んできたのですが、写真や文字だけを通しての学習だけではどうも身についていない感じがしていたので、今度の実習を一日千秋の思いで待っていました。