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私の班では、一日の解剖が終わると「おつかれさま」と言って班員は解散していました。でも解剖学実習が終わり気付いたことは、一番おつかれ下さったのは、私たちの誰よりもご遺体に他ならないということでした。本当にありがとうございました。また、私たちの勉強のため悲しみと辛い思いをご辛抱下されたご遺族の皆様に心から御礼申し上げます。献体を成願されました皆様の御霊の安らかんことをお祈り申し上げます。

 

解剖学実習を終えて

三石桂

 

私にとって、解剖学実習には大きく分けて三つの意義がありました。

まず一つは、「生と死」について深く考えさせられたことです。実習の第一日目の事は今でもはっきりと覚えています。今にも目を開いて動き出しそうな御遺体を前にして、私はただ立ちすくむばかりで、なかなかメスを入れることができませんでした。本当に死んでいるのだろうか。つい何年か前までは心臓は動き、立って歩いたりご飯を食べたりしていたのだろうに。そもそも死ぬとはどういうことなのだろうか。

 

 

 

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