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私の手袋の中はみるみるうちに真っ赤に染まりました。特に手荒く肋骨を切り落としたわけではありませんでした。私はなんとなく、少したるんできていた気を御遺体に見透かされて、お叱りを受けたような気がしました。

その時の傷は今でもうっすらと残っています。私はこの先、この傷を見る時はその時のことを思い出し、気を引き締め直していくことになると思います。この傷がもし消えてしまったとしても、私は初心を忘れずに将来に向けて後期も頑張りたいと思います。

 

解剖実習を終えて

松本知沙

 

昨年、一年間を通して私達は解剖学の講義をうけてきました。それぞれの内容はどれも大変興味深く、又医師になる上で必要不可欠、最低限のものであったと思いますが、実際に頭の中にその知識を定着させることができたかどうかという問題になるといささか首を傾けざるを得ません。毎回の定期テストごとに数日がかかりでその内容を暗記するものの、テストが終わってしまうとその大半は忘れてしまっているというのが実状だったように思えます。しかし、二年に進級し解剖学実習が始まってからはそういった学習姿勢が私の中で少し改善されました。

 

 

 

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