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今となってはこの反省は故人に対して生かすことができません。したがって、手前勝手ではありますが、このことは故人が私たちにもっと勉学に励むようにということを教訓として与えてくれたと解釈し、以後、医学の道に精進することを誓いといたしたいと思います。

最後に、繰り返しになりますが、このような貴重な機会を与えてくれた故人に感謝し、その篤い御遺志に敬意を表します。そして、安らかな眠りに就かれることを心よりお祈り申し上げます。

 

解剖学実習を終えて

大上智弘

 

解剖学実習が始まるまで、亡くなった人とこれ程長時間向き合うことなどありませんでした。正直言って解剖実習初日、御遺体と対面する際抵抗があったことは否めません。自分は今手足を動かし、心臓は脈を打っている。自分の目の前の御遺体は脈を打っていない。でも違いはそれだけでしかなく、御遺体も人間なのだ。生前には自分と同じように笑ったり泣いたり、悲しんだり喜んだりしていた一人の個性を持つ人間なのだ、という事を痛感しました。解剖実習をするまでは、人の存在というものについてこれ程考えた事はありませんでした。

 

 

 

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