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解剖学実習を終えて

岡山洋和

小川耕平

小川総一郎

小黒俊樹

 

広い実習室の中に白い包みで覆われた二十余の御遺体、そして真新しい実習着を着て、神妙な面持ちでその周りにならぶ私たち学生。実習室は、あたかもその白い包みにすべての音が吸収されてしまったかのような、今までに感じたことのない重い沈黙に包まれていました。おそらく私は、この解剖学実習の始まった日のことを忘れることはないと思います。実習を進めながら、人体の構造の精緻さに感嘆し、時に頭を悩ませられました(私は本当に悩まされたのです!)。また、命の神秘に畏敬の念を抱きました。そして、実習初日に経験した、あの重たい沈黙は命の重さそのものであると実感することになりました。このような意味で、私たちは学問の上でも精神的な面でも得るところが非常に大きかったと思います。このような貴重な機会を与えてくれた故人に感謝し、その篤い御遺志に報いることのできるように鋭意努力を尽くしたつもりです。しかしながら正直に申し上げますと、私の至らなさ(例えば技術の未熟さやそこつさ、そして勉強不足など)によって本当ならもっと学べることも学べずにこの実習が終了し、お別れすることになってしまったのではないかということが心残りであります。

 

 

 

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