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そんな感情が込み上げてきました。私がこうした貴重な体験ができたことはこれからの人生で大きな財産になると思いますし、献体して下さった方々に対して恩返しできるのはこれからだと思います。その為には今後とも、努力していきたいと思います。

最後に献体して下さった方々、御遺族の方々に心から御礼申し上げます。

有難うございました。

 

解剖学実習を終えて

須佐史信

 

解剖学実習は楽しかった。不謹慎な表現かとは思うが、事実、この得難い経験は喜びに他ならなかった。何を習得できたのかと問われれば心許ないが、単なる知識を得るだけの場ではなかったことは確かだ。

実習前、不器用を自認する私は、作業にいささか不安を抱いていた。血管や神経を上手に剖出できるのだろうか。それ以前に、判別できるのだろうか。ご遺体を前に、その身の内に広がる複雑で広大な世界を想像し、途方に暮れた。ところが、実習を重ねるにつれ、注意力や集中力は要するものの、特殊な技術は求められていないことが分かってきた。むしろ、愚直に気長にピンセットを動かすことこそが肝要だった。長時間、時として深夜や早朝まで、いつ果てるとも知れない手作業に没頭できるのは、欠かせない日常の営為となってきた。

 

 

 

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