3. シンガポール港でのPSAの独占について
隣のマレーシアにタンジョン・ペラバスというターミナルができたが、競争という意味からは料金は非常にやすくなるはずである。トランシップの利便性という意味では未知数ではあるが。
シンガポールは小さい港であり、PSAが独占しているとしても、周辺諸港(他国)との競争から、シンガーポル港のPSAの独占の弊害はでてこないと考える。
逆に、シンガポールにたくさんの港(オペレーターの異なるターミナル)ができるのは船社としては歓迎しない。日本の場合と同じで、ターミナルの分散化は港湾の競争力を弱める結果にしかならない。ボリューム(貨物)の確保が困難となり、料金を高くせざるをえなくなる。
シンガポールのもっとも優れている点は集中化である。効率化や情報化は、ボリュームがないと効果は出てこない。日本のターミナルでは、料金を安くすると自治体がパンクしてしまうし、オペレートについても、民営化して採算がとれるのか、疑問である。
4. アジアからアメリカ東海岸のへの貨物について
K-Lineでは、北米西海岸のロングビーチであげて、列車(DST)で輸送している。これが料金的には一番安いし、時間も短い。
ただ、荷主の中には東海岸にダイレクトに送りたいというニーズもあるは事実であり、そういう荷主はスエズ運河経由のサービスを利用している。
東南アジア-北米の貨物は東向きが増加しており、西向きの便の30〜40%は空コンである(そうしないとこちらの需要に追いつかない)。ロングビーチなどはずいぶん船混みを生じた。
5. 情報化について
船舶の入港については船から直接にMPAに連絡する。着岸、荷役については申し込みは船社代理店がPSAに申し込む。入港の遅延等がある場合には、MPAから自動的にPSAに連絡がいき、PSA内のシステムで処理される。よって、2つに分かれたことによる手続きの煩雑さ等のデメリットはユーザー側からはない。
6. 港の安全について
危険品等の管理についてはMPAが取り扱うが、警察権はマリン・ポリス(Ministry of Home Affair)
7. その他
シンガポールのターミナルは、コンテナ1個あたりの料金は高いかもしれないが、効率もいいし、24時間同一料金である。