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スライド14. 北米港における制度のあり方

 

世界銀行の発表によると、世界100の主要港のうち88港が、「地主型港湾運営」方式を取っています。これは日本の港湾規制緩和の中で、運輸省が今後検討しなければならない制度的な方式の一つだと考えられます。

北米およびカナダでは主要港のすべてが地主型港湾であり、港は所有する土地をコンテナターミナルの運営に貸し付けます。アメリカの地主型港湾の多くは、コンテナターミナル事業のために整備、リースの取り決めを行います。地主型港湾の定義を用いると、この関係にはパートナーシップ、あるいは共同作業といった傾向が見られます。例えば、ロサンゼルス港でAPLが使用するコンテナターミナル#300がその良い例です。港はAPLと契約を結び、APL特別仕様のターミナルを建設しました。工事が完成すると、ターミナルの長期リースがAPLに提供されました。交渉や合意の一部として、APLにはクレーンやその他の荷役機械の購入、所有が義務づけられます。その他のコンテナターミナルの例としては、ロサンゼルス、ロングビーチをはじめ、タコマのシーランド・ターミナル、その他の港で、整備やリースがほぼ同様なプロセスの中で行われています。現在、タコマ港は、6,000万ドルを投入してヒュンダイに貸し付けるターミナルを建設中です。このリース契約のもと、ヒュンダイはまず50エーカーのターミナルと、ドック式インターモーダルの鉄道ヤードの使用を開始します。五年の間に合計で10エーカーの土地がターミナルに増設され、ヒュンダイは、さらに土地を100エーカーまで拡張することが選択できます。

 

スライド15-16. 北米西岸港湾の競争

 

コンテナターミナルに限定すると、西岸には6つの主要地主型港湾がシアトル、タコマ、オークランド、ロサンゼルス、ロングビーチ、バンクーバー(カナダ、ブリティッシュコロンビア地域)に配置され、一つのオペレーティングポートがオレゴン州ポートランドに配置されています。

 

スライド17. 西岸の貨物取扱量(TEU)

 

西岸のコンテナ貨物の量は、ポートランドとバンクーバーを除き、現在主要港の大半が100万TEUを越え、米国内陸、あるいは海外に向けて輸送されるコンテナ貨物の約半分を取り扱っています。

 

 

 

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