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アメリカの大半の地主型港湾は、コンテナターミナル・プロジェクトに向けて、整備、またリースの取り決めを行います。これは傾向といたしましては、パートナーシップ(連携)、あるいは共同事業という形をとっており、地主型港湾の定義を用いています。

ロサンゼルス港のAPLのコンテナターミナル300番がよい例です。ロサンゼルス港は、APLと契約を結び、APLの仕様に従って、ターミナルを港湾の土地に整備します。そして、これが完成した暁に、このターミナルは、長期的にAPLに貸し出されたのです。この交渉、または契約の一環としまして、港側はAPLに、クレーン、ほかの幾つかの荷役機器の購入、または所有を義務づけています。ほかのコンテナターミナルで、ほぼ同じような経緯で、整備またはリースした港の中には、ロサンゼルス、ロングビーチ、またはタコマ港のシーランドターミナルなどの、新たに建設されたターミナルがあり、ほかにもまだ例があります。

現在、タコマ港は、6,000万ドルのターミナルを、ヒュンダイヘのリースに向けて建設中です。このリースの条件に従いまして、ヒュンダイは、まず、50エーカーのターミナル、そして、ドックサイドのインターモーダルのレールヤードから、その使用を開始いたします。全体で10エーカーが、最初の5年以内に付け加えられることとなっており、ヒュンダイにはまた、ターミナルを100エーカーまで拡張するオプションがあります。

スライド15 - 16 次に、アメリカ西海岸の港湾間の競争についてお話しいたします。

コンテナターミナルの視点からは、アメリカの西海岸には6つの主要な地主型港湾があります。シアトル、タコマ、オークランド、ロサンゼルス、ロングビーチ、ブリティッシュコロンビアのバンクーバーです。そのほかに、オペレーティングポートといたしまして、ポートランドがあります。

スライド17 アメリカ西海岸の港のコンテナの数量ですが、これは100万TEUを超えております。ただ、ポートランドだけは例外です。そして、アメリカの内外のコンテナ貨物取扱量の約半分を取り扱っております。ロングビーチとロサンゼルス港の取扱量は、アメリカのコンテナ貿易のおよそ3分の1を占めており、太平洋側の北西部の港のシアトル、またはタコマの取扱量は10%、オークランドは6%、そしてその残りは、おのおのアメリカの東海岸とメキシコ湾岸の港で占められております。

その中で、アジアの貨物が占める割合ですが、ロングビーチの場合は91%、ロサンゼルスは87%、オークランド85%、シアトル95%、そして、タコマの場合は94%です。こうした割合ですが、その根拠となっておりますのが、すべての港で取り扱った貨物の価格と、アジアの貨物の価格の総額を比べております。そして、シアトルとタコマの貿易のおよそ7割もの貨物が、この地域を更に超えて輸送されています。これは、列車などで、インターモーダルで行われているものです。一方で、ロサンゼルス地域では、その輸入コンテナの移動は半分以下です。

 

 

 

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