日本財団 図書館


大量の貨物輸送には、優秀な物流管理、それに加えまして、優秀な輸送業務、機器、施設、それにインフラが必要です。海事上のサイドの増加する需要に対応するためには、規模の経済が、コスト削減において望ましいものです。典型的な海洋間のコンテナ船は、その積載量が、およそ4,000TEUです。しかし、それ以上の6,000TEUを積載する船舶も、現在航海中です。更に、8,000TEUの船舶も、現在建設中、あるいは設計中です。しかしながら、船舶が大きくなればなるほど、使われる地域でのハイウェー、あるいは鉄道に流入してくるコンテナの数量が増してきます。そして、このコンテナが入る時期ですが、時として、交通が混雑する時間に入ることがままあります。このために、貨物輸送業務の移動性が減少してしまいます。

世界の多くの地域で起きている国際的な貿易の増加によって、道路上での、また道路と港での混雑が、今後10年間でますます悪化しそうです。推計によりますと、西海岸の港を通過するコンテナの数量は、今後10年以上でほぼ2倍になるとされています。そして、港湾周辺のほとんどの地域では、こうした増加に対応するだけの輸送インフラがありません。混雑によって、会社も、また従業員も影響を受け、約束が守られなかったり、あるいは遅れたり、また時間の浪費、いらだち、製品と材料の移動、また、サービスの提供における非効率性という形で現れてきます。民間、公共組織の人々の多くは、輸送インフラの建設、また、改善の必要性を感じており、その多くの人たちは、新たな道路、橋、通勤用の鉄道制度、都市間の鉄道、空港、海事用の港湾の非常に大きな建設計画に携わっています。

こうした、必要とされる輸送インフラを建設するためには、新しい融資の枠組みが必要とされています。と申しますのも、こうしたプロジェクトは、今までの融資の枠組みだけで対応するには、あまりも大きいことがよくあるからです。

インターモーダル・システムは、前のスライドでお見せいたしました要素すべてに取り組まなければいけません。これは国際的な物流に関してのお話です。また、システムの推進力にも、対応しなければいけません。それは、つまり顧客のニーズです。そして、最も重要な点ですが、台頭しつつある世界的な貿易、輸送パターンを理解することが大切です。システム上の視点が、このシステムを動かしている関係者の間で抜けています。つまり、その関係者とは、利害関係者です。輸送システムの使用者、運営者、インフラ提供者、そして、規制当局です。

スライド14 世界銀行のデータによりますと、世界中の100の主要港湾のうち、88がランドロードポート、つまり「地主型港湾」です。このタイプの港湾ですが、この組織的な取り決めですが、現在、日本の運輸省が、港湾の規制緩和の取り組みの中で検討をしているかもしれない点です。

アメリカとカナダでは、すべての主要港湾は地主型港湾です。と申しますのは、港が所有し、その業務をすべて、コンテナターミナルに向けてリースしているのです。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION