質問7 変わった理由は、やはりコストですか、それとも効率ですか。あとは、オンドックトレインが入っているとか、そういうのは……。
ブロウニング タコマのほうがいい営業戦略を持っていたということですね。
質問7 では、インフラ的には全然変わらないわけですね。
ブロウニング 確かにシアトルは、船社の持っていたターミナルは、面積的にも限られておりまして、更に、鉄道へのアクセスがよくなかったということで、そこで、タコマのポートオーソリティのほうが、マーケティング力が優れておりまして、大きなターミナル、そして大水深の岸壁、そしてオンドックレールウェイを建設しますよ、おたくの会社がうちを使ってくれるのだったら、そういったものを提供しますよというようなアプローチをかけたわけです。
ある地点で、例えば横浜、東京にしてもそうですが、シアトルとタコマとか、地理的に非常に近いポートオーソリティ同士は、ある意味で、例えばニューヨーク、ニュージャージ間でとられているような協力体制を、確保する必要が出てくると思います。
質問8 少し細かくなりますが、ポートオーソリティが、船社にターミナルをリースするときに、取り扱う貨物量が多くなれば、船社から港湾管理者に入る料金は多くなるのでしょうか。
ブロウニング 今おっしゃったリース方式は、例えば取扱量が増えれば増えるほど、ポートオーソリティに入ってくるリース料金が高くなるというのは、レベニューシェア方式と申しまして、利益分配方式ですが、シアトル、タコマの港では、その方式がとられておりません。フラットレートということで、フィックストレート、固定の料金でリースを行っております。そういった大きなリース方式が、この地主型の港湾の中ではとられております。
ロサンゼルスとロングビーチの港では、先ほど申し上げました利益分配型のリースシステムがとられております。これは、取扱いの貨物量とか、タリフチャージによって変わってきます。ですから、景気がいいときは、港もリース料金が多くふところに入ってきますし、また、景気がいいということで、船社にも利益が生じてきます。景気が悪いときは、一定にお金を払っているわけではないので、船社は、それほど大きな被害は与えられません。ただし、同様に、景気が悪いと、その分、港に入ってくるリース料金は少なくなってしまいます。このようなリース方式も、私の提示しますレポートの中に、細かく書き述べていきたいと思います。
質問8 多分、既にヒアリングされていると思いますが、日本の港でも、公社方式でやっているところについては、借入金でコンテナバースを造って、そのお金を船会社からのリース料で返していこうと。それも一定料金、取扱量には関係ないということなものですから、どうしてもそこで料金が高い港という批判があって、これが一つの問題点です。その辺のアメリカとの比較をしたいというのは、我々事務局のほうも言っています。