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余談になるのですが、例えば下関のフェリーで、韓国の釜山から生鮮食品等が来ますよね。生鮮食品は、それなりに急いで通関させていかなければならないということで……。

質問5 では、それはプライオリティを上げているだけということであって、システム的に、オートマティックにいく場合ではないということですね。

質問6 また別の質問ですが、先ほど木村さんが、先生が訪問された幾つかの港の全体的な印象をお聞きしたときに、バースが過剰であるというご指摘があったと思うのですが、これは例えば船舶が大型化して、従来の水深の港では入りづらくて、それで大水深の港を造っている。それで、従来の水深の浅い港が使われなくなってきているという面もあると思うのですが、アメリカの西海岸の港ではそういう例はないんでしょうか。

ブロウニング 西海岸のほうでは、まだそういったことが起きていない状況にあります。更に日本の各港から、実際に施設過剰だよという形で報告は受けておりません。ただ、受けた報告の中に、ヒアリングの中では、多数のバースが、実際に市場性を評価した上で造られているのではなく、ただ必要があるから、岸壁が整備されているという報告を受けました。

更に、ヒアリングの中で多く取り上げられているのは、港間の競争ですが、一つの港が、よその港からビジネスを取っていってしまうという状況が、多分に大きくあるという報告を受けています。例えば、先ほど申し上げました神戸ですが、いまだに地震前の取扱高と同じようなレベルで、回復はされていないということです。

例えば同じような状況が、シアトル、タコマ港の間でも見られまして、最近、韓国の船社が、シアトルからタコマに移ってしまったということで、年間約30万TEUもの量をシアトルは失ってしまって、今シアトルは、そのターミナルのスペースがドカッと空いたような形になってしまっています。ですから、シアトルは、このバースの使用者を、ほかの外国船社と営業することによって、誘致しなくてはならない状況になっております。

ですから、一つの問題は、アメリカ、そして、同様に日本でも、いかに船社を獲得するかということで、それぞれの港間の競争が激しくなっているということが取り上げられますが、昨年の共同研究の中では、港間の協力体制が取り上げられたと思います。

質問7 今のシアトルの例ですが、30万TEUの能力を持っていた船社が、ほかに動く際に、従来はシアトルで、リース契約で簡単に契約していたと思うのですが、そのときは、そうしますと、ハンジンの契約は、船社が一方的に解除できるんでしょうか。

ブロウニング ちょうどそのリースの期間が終わったんですね。

質問7 なるほど。通常は、そのリースの期間が30年なら30年あるから、その間はよそに撤退して逃げていくとかということは起こらないのではないでしょうか。

ブロウニング ないです。でも、契約の中で、猶予期間みたいなものが与えられて、例えば契約の切れる何年前に移りたいとか、そういう条項が含まれていたら、そういう契約に基づいて移管することは可能です。

 

 

 

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