米国と日本の港湾当局の大きな違いはそれらの協議の方法からきているように思える。米国では港湾の建設は協議が終了し協定が締結されないと着工しない。他方で日本の港湾においては港湾局と利用者間の協議が完全に終了する前に着工することがある。
3.1. 日本の港湾は地域における流通ハブ港湾になれるのか
日本はどれか国内の港が東太平洋地域で流通ハブ港湾になれたらよいと考えている。そしてハブ港になれるコンテナ港を開発することに関心がある。日本はアジアの急速に発展する地域経済の主役を担い、今後予測される経済成長のシェア獲得競争でその地域の国々と競争していきたいと志向している。そうするためには制度上のものから広く多彩な手法でハブ港の開発を行う必要がある。海上貨物だけでなく乗客、航空貨物や速達貨物を考慮し、コンテナ貨物と同様に検討することが必要である。日本はゲートウェイ(中枢)港湾をその地域での競争力あるものにしたいと考えているが、日本がすべての輸送モードについて効率的で使いやすいターミナルを実現しない限りは、海外や国内の船社は日本の港湾をハブ港として選択することは難しいであろう。日本がそうすれば、この新たな大交流時代において出現する新しい物流に対して、このハブ港は接続できるのである。
ハブ港湾の運営に関係している多国籍大企業の担当者は、その地域や世界全域で重要な市場間を海上輸送や航空輸送で直結したいと考えている。国際船社に対して自由に平等にアクセスできるようにしていくことは中国、香港、台湾、韓国、ロシアの市場と自国の市場を結びつける際に非常に重量な検討事項である。しかしながら、日本の運送業界には多くの地域的な問題がある。どれかの港が東アジアの太平洋地域のハブ港となるためには、その問題は解消されなければならない。
日本は必要となる港湾や複合輸送のインフラに恵まれている。しかし、運送業界における規制緩和で適切な改革がなされ、関連する政策変更でオペレータや船社が港湾のターミナル管理運営を競争的に行える状況を作らない限り、どれかの港を地域の流通ハブ港として発展させていくことも不可能である。
4. 推奨事項
日本は地理的によい立地であり、その海港の一つはその地域のハブ港として整備できてよい。ゲートウェイ港の競争を強化すれば、日本の港への寄港の頻度や取り扱い貨物量も増大するし、この世界市場の到来において日本の輸出者や輸入者により大きな機会を与えることで、その競争力を増大させることができる。このような活動をすることで、神戸の震災により喪失した輸出入貨物や、日本から他の地域ヘシフトした工場を紳士的に埋め合わせることができる。