日本では主要都市の中心部では日中の営業時間にはトラックが道路や高速道路にあふれていて、低速通行から徐行状態になっていることがしばしばである。73) それぞれの港では主要貨物をいかにその後背地へ輸送するかという諸問題をかかえている。74) 多くの箇所でボトルネックを生じているからである。横浜港では埠頭間のすでに使用されている有料道路についで、混雑解消のため新しい道路が建設中である。75)
九州地区では運輸省が環境問題、トラック事業者の不足や交通混雑を考慮して、モーダルシフトを推進している。76) 島である九州は地域のトラック輸送に依存しており、この運輸における規制緩和は民間セクター側の活動を活発にし、またインフラの改善への動きを強めている。日本では鉄道はほとんど乗客用であるが、JRグループには貨物輸送サービスをおこなうところがある。それは1986年に設立された。夜間に路線を借りて運営している。77) 日本はたいていの地域でトラックは鉄道に比べて便利で安いと考えられている。トラックと鉄道が同料金となる距離については世界中でそのデータが収集されている。3日間に渡り貨物の起点と仕向地を調査することが5年おきに実施されており、1995年の調査が最も新しい。78)
複合一貫輸送はコンテナの移動において大きな役割を果たしている。今では空コンテナも多くなり、基本的な物の輸入は減って、工場製品の輸入が増えている。東京湾においてはそのモーダルシフトの推進は第二港湾建設局の「東京湾エリアの港湾開発の基本方針:高品質なベイエリアの構築と次世代への継承」とういう冊子に記載されている。79)
基本的な変革が必要である。WAVEの国際港湾セミナーでは日本でも参考になるかもしれない、機敏な港湾の考え方を米国から紹介している。さらに大型船に対応できる新しいターミナルの建設も必要とされる。しかしターミナル建設は不十分である。貨物をもっと早く捌いていく必要がある。80)
米国ではこれからの20年間も経済的繁栄のためには、この国際貿易がクリティカルであり続けるであろう。その繁栄に歩調を揃えるためには、輸入品を米国全体へ輸送する能力をまた生産品を世界中に輸出する能力を絶えず高めなくてはならず、そのためには複合一貫輸送のシステムを改善していかなくてはならない。81)
EDIとインターネット
日本ではEDI手続の採用の程度は港湾管理者によって違ってくる。運輸省やその他組織はこのシステムを統合しようと努力している。横浜港では海上部門においてはEDIシステムが稼働中であり、いくつかの港湾局ではこれをいくつかのターミナルに導入している。82) 東京港では港湾管理者のEDI使用率は20%である。この比率は引き上げる必要がある。83)
税関は多くの場所でSEANACCSのシステムを使用しているが、コンピュータを設置することより、むしろ、税関業務を効率化することですばやい税関サービスを目指してきた経緯がある。SEANACCSと1999年11月よりスタートした港湾EDIを連携させる作業が進行中である。EDIが浸透すれば港湾はより使いやすくなり、より安くより効率的なサービスが可能となる。84)